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向井 side
広さに限りのある舘さん家のキッチンに3人。
舘さんは器用にきんぴらごぼうを作り始めたし、お嬢は俺が茹でたほうれん草を醤油洗いしとる。俺はお嬢の切ったピーマンを軽く湯通し。
宮舘
「そろそろ茹でようか」
『はぁい、準備する』
宮舘
「康二、うどん茹でて」
向井
「んへ！？」
『はい、よろしく』
押し付けられた乾麺のうどん。これ良い奴やろ絶対。
お湯を沸かしているとお嬢が持ってきたタッパーをレンジにかけ始めた。きんぴらごぼうを作り終えた舘さんは、お嬢の持ってきたお出汁をつかってうどんつゆを作り始める。
向井
「お嬢それなんなん」
『あげ』
向井
「あげ？」
『味付けした油揚げ？って言えばいいの？おあげよ、きつねうどんのきつね』
向井
「あー、おあげさんね」
宮舘
「お嬢の作るおあげは絶品だよ」
向井
「お嬢の手作りなん？？」
『そうだよ、これがきつね会』
きつね会。このご飯会をそう呼んでいるらしい。
なんでも、お嬢は味付けしたおあげさんが好きらしい、それも2ヶ月に1回のペースで自作するほどに。
でも作るとなればそれなりの量になるわけで。きつねうどんにしてもお稲荷さんにしても、めちゃくちゃ少食のお嬢にとっては消費しきれない量らしい。確かにおあげさん作るのに油揚げ半枚なんて労力おかしいもんな。
それなりの量作ったおあげさんを消費すべく、うどんが好きな舘さんに声をかけたのが始まりらしい。そこから始まったこのきつね会は、お嬢がおあげさんを作ったら開催される不定期なものらしい。合図はあのキツネさんのハンドサイン。最近ではお酒やおつまみを持参してお泊まり会と化しているとのこと。
向井
「いつからやっとったん、きつね会」
『んあ、どのくらいだろう』
宮舘
「康二が来る前だもんね、だいぶ前からやってるよ」
向井
「そんな長いんや」
けれど、この会を知っているのは当事者ふたりと、今回初参加の俺と、何回か参加したことがあるらしい阿部ちゃんだけ。どうやら他のメンバーには知られとらんらしい。秘密なんやって。
向井
「え、秘密にしとるのに俺参加してよかったん？」
『大丈夫、じーこはお料理する人だから』
宮舘
「料理する人なら安心して任せられるからね」
どこかで、お嬢は他人の手作りが苦手だと聞いたことがある。
なんでも、トラウマレベルの良くない思い出があるとか。
でも、参加さしてもらえたってことは、舘様だけじゃなくて俺もお嬢の中では手作りを食べても大丈夫な認定をされたっちゅうことよな？
その事実がとても嬉しくて思わずお嬢に抱きついてしもた。舘さんに秒で剥がされたけど。
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みみみ - 凄く好きなお話です！応援しています☆ (2023年5月1日 18時) (
レス) @page26 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - 移行おめでとうですコロナと気温差がすごいので体調に気をつけましょう (2023年3月27日 6時) (レス) id: fa15550fa1 (このIDを非表示/違反報告)
名前(プロフ) - 続編おめでとうございます😊いつも通知が来るたびに次はどうなるのかとワクワクしながらいつも拝見しています🥰これからも、体調には十分気をつけてお過ごし下さい🥰これからも応援しています！ (2023年3月26日 16時) (レス) @page2 id: 38a2014fa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネイピア数 | 作成日時：2023年3月26日 16時
