川で ページ7
「おおお!めっぽうたくさん付いてるぞ!怪しげな黒い砂が!」
「いいねいいね。それが砂鉄」
星を見た翌日、私達はクロムの磁石を使って、砂鉄を川で集めていた。この辺は水が綺麗で、恐ろしいほどに透き通っている。
昨日の夜も部長と同じ倉庫で眠ったが、部長は特に何も話さなかった。まあ、そっちの方が気が楽かな。
「しっかしすげえな雌ライオン。テメーらの村は全員ああなのか?」
その部長は今、クロムと岸で水を飲んでいた。
クロムはクロムで、くつろいでます!と言わんばかりの姿勢で寝転がっている。
「怪力のゴリラは何人かいるけどな。身軽なゴリラはコハクだけだ」
「だからゴリラじゃない!」コハクが叫びを上げた。ゴリラに対する反応速度は多分コハクの右に出るものはいないだろう。
「というかほとんど私が!いや私とAが集めてるじゃないか!君たちも少しは身軽に働け!そもそも人手が足りないのだ!」
今絶対私の存在忘れられた。
まあコハクほどに活躍できる体力がないので致し方あるまい。
「「サーセン」」この後クロムはコハク姉貴から拳骨を受けた。
「…確かにこの分じゃ日が暮れちまうなぁ」部長は川底を探りながらぼやいた。それを聞き取ったクロムは顔を上げる。
「村から誰か助っ人連れてくるか?」
「ハ!村の皆から見れば、君たちはただの怪しい妖術使いだ。残念ながら誰も手助けには来ないだろうな」
「だよね。私も村人だったらそう思う」
しかしこれは本当に日が暮れる。サルファ剤の材料にもまだ届いていない。ルリさんが死ぬ前に助けられるのだろうか?
下ばかり見て首が痛くなったので、うーんと首を回した。するとふと、視界の奥の方に、何か緑色の物体を捉えた。
「…スイカ?」
スイカである。でもそのスイカは、私が知っている黒の模様がはいったものではなかった。
スイカは川の流れに沿って流れてきたかと思うと、途端に止まり、立ち上がった。
思わず私は興奮する。
「ス、スイカに足!?新種!?」
「いやよく見ろバカ。どー見ても人だろうが」
何がどー見てもだ。私は部長をじとりとした目で見た。が、部長はそっぽを向きっぱなしだった。むむっ。
「スイカじゃないか。なぜここに?私たちについて来たのか?」コハクはスイカまでゆっくり近づいた。
その間に、部長はクロムに耳打ちをした。耳打ちにしては、結構大きな声だった。
「スイカっつう名前なのか?」
「あだ名だぜ多分。スイカの殻かぶりっぱだからな」
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くりぼつち長庚(プロフ) - Kさん:スタンリーはいいですよ〜はやくアニメ化することを願う!声優楽しみ! 神月ティアナさん:分かります!龍水もイケメンですよねぇ!ホワイマンの絡み、って、中々面白いの選びますね笑 (12月23日 20時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
神月ティアナ(プロフ) - 初コメ失礼します!とてもわかります!絡みが気になるキャラだと毎回上位にいるのが龍水、フランソワ、宝島組、アメリカ組、SAI、ホワイマンなんですよね (12月23日 15時) (レス) @page50 id: 7ac5013380 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - マジですか?!私はアニメででしか知らないので....スタンリーやゼノをGoogleで知ってる程度で....彼らの良さを早く知りたいです!!ちなみに私は千空推しです! (12月23日 15時) (レス) @page50 id: 3281584211 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - 初コメント失礼します!最近読み始めたのですが素敵ですねこの作品!胸をキュンキュンさせながら見させていただいています!素敵な作品ありがとうございます! (12月23日 11時) (レス) id: 3281584211 (このIDを非表示/違反報告)
長庚(プロフ) - お気に入り100人いきました!皆様ありがとうございます! (11月22日 22時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長庚 | 作成日時:2023年10月14日 19時