万里の時を駆ける3[Dr.STONE]

銀狼………？ ページ47

コハクの説明は長かったので、自分の中で噛み砕いた。


村には、巫女の夫兼村長を決める御前試合がある。

なぜかそれに、コハクが参加したと。

その理由は、マグマを今の巫女、つまりルリさんの夫にさせないようにするためだという。

マグマはこの村で一、二を争う程の強さだから、村長は必然的だったそうだ。

しかしマグマはコハク曰く最低な男で、ルリさんの看病はごめん、自分が村長になれればルリさんはどうでもいいと目論んでいるらしい。


それでコハクが妨害阻止してマグマに勝利、見事コハクはルリさんの夫になった…………

「って、ダメじゃん……」

コハクの快進撃には納得しそうになった。しかし姉妹で結婚はさすがに。

「むろん御前試合は仕切り直し。ちょうど来月行われる」コハクは はは、と苦笑いしながら腕を組んだ。

「マグマの奴、御前試合で優勝するためにゲンを殺したってことかよ！」

「その可能性は高いね。コハクは未だに、妖術使いありきの強者だと思われてる」

妖術使い(仮)のゲンが殺された(殺されてないが)今、マグマは村長になれると確信してるんだろう。

「ていうかどうするの？仕切り直しってことは、コハクは御前試合に出られないんじゃ」

「おうそうだ、このままだとマグマが村長になっちまうぞ」

「ハ！逆にチャンスでもある。科学王国民の男がマグマを破って優勝。ルリ姉と結婚して長になれば、全ては解決だ！

科学王国のまとめあげも、ルリ姉に万能薬を飲ませるのも容易だ！」

コハクはそう言って、ずんずんとあの兄弟の前に仁王立ちになった。

「金狼銀狼、君たちに聞きたいことがある」

コハクは間をたっぷり空けて、かっと目を開いた。

「ルリ姉のことをどう思っている！！妻として娶りたいと思うか！」

ルリ姉、で何を想像したのかは知らないが、二人、金狼銀狼は高速で目を白黒(瞳は緑だけれど)させた。

「あ、いや、考えたこともなかったけど…そりゃルリちゃ……ルリ様は可愛いし…あ、いや顔は、コハクちゃんとほぼ一緒なんだけども…おっぱ…おしとやかで可愛いし、目もクリッとして……」

とてつもないスピードでルリさんの褒め言葉を捲し立てる銀狼。なんかいかがわしい事を言ってなかったか？

銀狼ってもしかして結構やばい奴なんじゃないかと思い始めた私だった。

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