万里の時を駆ける3[Dr.STONE]

誰だ？ ページ46

「大変だよー！わかっちゃったんだよー！」

ゲン襲撃事件の犯人を突き止めると言って昨日飛び出したスイカは、急ぎ足で戻ってきた。

「あさぎりゲン殺人事件の犯人が、わかっちゃったんだよ！」

「いや、死んではないぞ？」コハクが言及する。

「で、やったのは誰だ？」

歯磨きしている(歯を磨くものでみがいている)部長は、口をもごもごさせながら言った。

「それは……」

あの影。とても大きく、動物かとも思ったりした(槍が落ちていたので違うが)影。私はごくりと唾を呑んだ。

「マグマだよ！！」

「「！！」」

スイカがそう宣言した途端、私以外の全員が固まった。

「マグマか……！あんのヤロー！」

クロムはぐぬうと唇を噛んだ。が、私にはそれが誰だかさっぱり分からなかった。

マグマ………

……って誰だ？

「そうか、あさぎりゲンはマグマたちの目の前で花束を消した。確かにマグマ視点だと、ゲンこそが私の連れてきた噂のよそ者妖術使いに見える」

「じゃあ、マグマは千空と間違えてゲンをブッ刺したっつうことか」

「ハ！しかしマグマが私の強さを妖術によるものだと勘違いしているとはな」

「コハクは素でゴリナ並の強さの素ゴリラだぞ」

「ちょっと待って欲しい。マグマって？」

クロムがコハクから拳骨を食らっているのを見て、収拾つかないので、無理やり割って入る。部長がさっと話してくれた。

「あれだ、テメーが雷怖い怖いとか言ってた時にな、橋をぶち壊して銅線の型を作ったんだよ。そんときに出てきた奴だ」

「橋をぶち壊した？」

聞き捨てならない言葉を聞いた気がするが、部長はなに食わぬ顔をしている。

雷の時の記憶を奮い起こす。うーーーむ。

確かに村の橋の方に、とても大きい男がいたような、いなかったような…………。

その男をゲンがマジックで止めたから、妖術使いと思われたのか。

ゲン、可哀想に……。

「で、なんでマグマの奴はあわよくばコハクをブチ殺そうと企んでる？」

私がなむ……と空に手を当てていた時、部長が仕切り直した。コハクはうむ、と腰に手を当てる。

「理由はおそらく、いや間違いなく、御前試合だ」

銀狼………？→←失踪したメンタリスト

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す