万里の時を駆ける3[Dr.STONE]

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「おおおおお！ついに！来たぜコレー！」

クロムは、きちっと出来た真っ黒の鉄を掲げた。きっちり直方体にできている。


とうとう鉄が完成したということだ。






「Aちゃんは村の子達と仲良くやってる。千空ちゃんも死んでる。俺がそう言えば、二人は助かる」

少しあと、片付けを眺めていたゲンがふと、得意げに口角を上げた。長袖のキョンシーのような格好がなんだか腹立つ。

「うむ。それで司に告げ口したら張り倒すよ」

いやその前に殺されるか。
前にも言ったが、司にばれると間違いなく殺られる。間違いなく。
ゲンはこちらのことなんてなんとも思っていない様子で、のほほんと言う。

「俺はね、ぶっちゃけどっちでもいいのよ。司ちゃんのとこにいようがこの村にいようが」

勝てるんならね、と、ゲンは付け足す。

「うーんと。どっちにしようか悩んでるからまだ告げ口しないってことでいい？」

我田引水という言葉がぴったりのゲンは、「そうなるね〜」と頷いた。

「コハクさんコハクさん、こいつどうします？」

「そうだな、殺すか幽閉しよう」

「ヒィ〜!!」

ゲンは両手で嘘っぽい焦りでストップをかける。別に殺すわけないのにねえ……。

「いやこいつ帰さなかったら司ご本人降臨でソッコー詰みだろうが」

ここで部長の正論。面白くないなぁ。

「ククク……安心しまくれ。素敵すぎるニューアイテム、鉄を使って今から作るもん見たら100億％科学王国に入りたくなっからよ」

そう言って、部長はごつい前掛けを外し、倉庫の梯子に足を掛けた。

「あ〜なんだろ？刀とか作っちゃう？」

部長はくるりと後ろを振り替える。



「発電所」




「………………。は!?」


発電所？

「発電所!?」私は繰り返した。

「あ゛ぁ」

「発電所ー!!!」

ついに来るところまでキター!!
謎の喜びに駆られている中で、ゲンだけが、顔を青くして呆気に取られていた。

「発電所!?ジーマーでイッちゃってんの？いや無理ゲーすぎるでしょ！」

「発電所は楽しみだ〜」私は聞いちゃいなかった。

「なんだ自然銅あんじゃねえか」

「それ綺麗だから壊したくねえんだよな〜」

「溶かして銅線にすんぞ」

「聞いちゃいねえよクッソ」

「ってこの状況で驚いてるの俺だけ!?」

「なんだあさぎりゲン。そこにいたんだ」

「Aちゃんが発電所に浮かれてたんじゃない!?」

あさぎりゲンも楽しそうで何よりだ。

雷(ﾟ∀ﾟ)ｷﾀｺﾚ→←メンタリスト……

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