万里の時を駆ける3[Dr.STONE]

収穫はいかほどに ページ20

部長と頑張って火を起こした後には、もうすっかり夜で、いつも通りの綺麗な星空が空に映し出されていた。

「……で、スイカ。何か収穫はあった？」

私は塩辛い焼き魚を飲み込んでから言った。コハクが帰って来た時に一緒に採ってきたのだが、気が利くというか、ほんと尊敬する。あと脂がしっかり乗っていて、おいしい。

焚き火からは、パチパチと気持ちのいい音が弾けていて、スイカを見ると、顔(見えない)に、真っ赤な影が落ちている。

「結構聞いてきたんだよ！みんなが欲しがってるもの！」

スイカは串をもう片方の手に持ち替えて言った。

「ん、お願いします！」

「まず、ガーネット・サファイア・ルビィのキラキラ三姉妹だよ」

「おお！村一番の綺麗どころだ」

「あ゛ー、今日Aが絡まれてた女達か」

「絡まれていたのか？あの三人にか？」

コハクが意外だ、とでも言いそうな顔で訊き返す。私は大きく頷く。

「うん。何あの三人て、もしかして人見知りみたいな感じなの？」

というかキラキラ三姉妹って呼ばれてるんだと、初めて知った。

「人見知りとは違うかもな。孤高というか、高嶺の花というか…」

なるほど、コハクも同じ村の人だというのに、どこか距離がある言い方なのはそれか。

「でね、3人がすっごく欲しがってるモノは……」

「この時代の科学で作れるモンだとおありがてえがな」

「彼氏だよ！」

間髪入れずにスイカが叫んだ。部長も白目を剥いて叫んだ。

「ぜってえ科学じゃ不可能なのきたーー!!」

スイカ曰く、

「強い男」

「イケメーン」

「おごってくれる人」

と、私に会う前はぼやいていたらしい。

「欲望にもう果てしなく忠実だな……。ハ！私から見れば千空、君はなかなかの色男だが、サファイアの言うイケメンとはそういうことでもなさそうだ」

ふとコハクが、私に視線を移した。

「Aはどう思うか??」とはっきり聞こえるような念を送ってきた。なんでだ。

「へ？えっ？

わ、私もそう思う、よ………？」

何を言えばいいのかよく分からないのでいい感じに返しておく。

「あ〜あ〜勝手なことばっか言いやがって！女はこれだからよ！だから俺は女が嫌いだっつってんだよ！」

クロムはもごもごと魚を咀嚼しながら、息を吐いた。

飯=科学→←悪くない

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