三人娘の話 ページ18
今度はツインテールの少女が、目をキラキラさせて言葉を継いだ。
どこの"よそ"から、かあ……。
石から戻りましたー、なんて言って通じるのかな……
「その辺に石像ありますよね?もともと私達はそれだったのですが、どうにかして復活しました」
微笑みながら言った。はたからすれば信じられない話をしているのに、少女はさっきよりいっそう目を輝かせる。
「え!?そうなの!?じゃあ、あそこにいる男の子も?」少女はばっと遠くで座っている部長を指差す。部長はこちらには気づいていない様子だ。
「そうですね」
「ってことは、復活してから今まで、数々の冒険をあの子としてきたんだね!?」
「そんな大層なことはしていませんけど…まあ言ってみれば冒険かもしれないですね」
言葉を投げた瞬間、三人の少女がいっせいに、わあ!と声を上げた。少女からたくさんの呟きが聞こえてくる。
「それはロマンチックね」
「羨ましぃ〜」
「どういう関係!?」
「は、はあ…………?」
矢のように放たれる言葉に思い切り戸惑い、適当な声を出した。
「あなたは幸せ者だって言いたかったの!
私はルビィ。ね、もっとあなたの話を聞かせて欲しいの!」
ツインテール少女のルビィは、ぎゅっと力強く私の手を握った。な、何、なにどういうこと?
「実は噂を聞いたときから気になっていたのよ。どんなよそ者が、それも女の子もいるなんて。一体どんな子なんだろう、ってね」
一番大人びている、というか色気がある美少女さんがふっと笑った。
「私はガーネット。そこの碧眼がサファイアよ」
「もっと別の場所で話さない?こっちよ」
サファイアが村の方向へと促す。私はいやいやと首を振った。
「私村には入れないんですよ。よそ者ですので」
これで村に入って、金狼に斬られるなんてごめんだ。サファイアは「そう?」と頬に手を当てた。
「ならここで話そうよ!いいでしょサファイア?どうせ毎日暇してるようなものだし?」
ルビィが一番よく話す子なんだなぁと思った。別に悪い人でもなさそうだし、いっか。
「まあ少しだけなら?話しましょう」
そう言った瞬間に、三人がその場にさっと座り、目線の高さが同じになった。
「名前は?」
「Aです。氷室A」
「ひむろ?なにそれ」
「名字です」
「なんであなたは石だったの?復活したんだよね!?」
「ああそれは……」
休憩時間だけと思っていたのに、この質問攻めは夕方まで続いたのだった。
この人達、本当に暇なんだな…。
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くりぼつち長庚(プロフ) - Kさん:スタンリーはいいですよ〜はやくアニメ化することを願う!声優楽しみ! 神月ティアナさん:分かります!龍水もイケメンですよねぇ!ホワイマンの絡み、って、中々面白いの選びますね笑 (12月23日 20時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
神月ティアナ(プロフ) - 初コメ失礼します!とてもわかります!絡みが気になるキャラだと毎回上位にいるのが龍水、フランソワ、宝島組、アメリカ組、SAI、ホワイマンなんですよね (12月23日 15時) (レス) @page50 id: 7ac5013380 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - マジですか?!私はアニメででしか知らないので....スタンリーやゼノをGoogleで知ってる程度で....彼らの良さを早く知りたいです!!ちなみに私は千空推しです! (12月23日 15時) (レス) @page50 id: 3281584211 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - 初コメント失礼します!最近読み始めたのですが素敵ですねこの作品!胸をキュンキュンさせながら見させていただいています!素敵な作品ありがとうございます! (12月23日 11時) (レス) id: 3281584211 (このIDを非表示/違反報告)
長庚(プロフ) - お気に入り100人いきました!皆様ありがとうございます! (11月22日 22時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長庚 | 作成日時:2023年10月14日 19時