脚が痺れて力が出ない… ページ15
「まったく、スイカをこんな重労働に駆り出すとか労働基準法違反だよ!」
「今はそんな法が無いことくらい知ってんだろ!」
息を切らしながらも空気を送り続ける。さっきからずっと正座で、脚も痺れてきた。
まさか本当にこのまま製鉄を続けるのか?
体力皆無の部長だけれど、まさか諦めはすごく悪くて、根気だけは強いのか?
「部長これ本当に数十時間やるのー!?もう既に脚がびりびりして大変なんですがー!」
「やるに決まってんだろ!口より手を動かしやがれ!」
部長が社長の会社に入ったら、確実にブラックなんだろうなあ、と悲しい事を考えながら私は部長の言うとおりにした。
私の頭の上にあった太陽はいつの間にか傾き、西日となって横を通り過ぎた。
そしてそれも束の間、太陽すらも地平線の向こうに見えなくなり、炉の明かりだけが激しく燃えていた。
疲れた………。
この悪戦苦闘は、本当に数十時間続いたのだった。
******* *
「マンパワーが、最優先だ…」
部長はよろめきながら、砂鉄の土器を見下ろした。
私達はほぼ完徹で炉に徹していたにも関わらず、結局炉から出てきたのは前とはあまりお変わりない様子の砂鉄だった。
「う゛っ、私達の数十時間の肉体労働が……」もう最高に疲れた。というか、腕が筋肉痛で動かせない。
「科学王国民増やすっきゃねー!!」
だというのに、何で男はこんなに元気なんだ。
そしてこの村の橋の前でのうのうと眠っている銀狼とかいう門番はなぜ門番なのに眠っているのだろう。
「槍……銀の……」銀狼はぶつぶつと寝言を撒きながら小さくなっている。
部長はそれに笑って、
「ククク…やっぱりな、銀狼はもうほぼゲットだな」
とお馴染みの悪い顔をした。クロムも部長の言葉に乗った。
「よーし!行けるぜこのパターン!」
「マンパワーをゲットする!」
「「科学のエサでな!!」」
「エ、エサ言うな、二人して」
かくして科学のロードマップから一歩遠ざかりつつもその科学のエサを作ることになった。
「具体的にはどんなエサを?」
「Aまでエサ呼びか!」コハクははっと驚く。使い勝手がいいんですよ。
「この村の連中が欲しがってるのが何か知る必要があんな…どうするか」
部長は考える素振りをした。確かに私と部長は村には入れないので困った。
そこに、元気のいい声が耳に届く。
「それならスイカに任せてなんだよ!」
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くりぼつち長庚(プロフ) - Kさん:スタンリーはいいですよ〜はやくアニメ化することを願う!声優楽しみ! 神月ティアナさん:分かります!龍水もイケメンですよねぇ!ホワイマンの絡み、って、中々面白いの選びますね笑 (12月23日 20時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
神月ティアナ(プロフ) - 初コメ失礼します!とてもわかります!絡みが気になるキャラだと毎回上位にいるのが龍水、フランソワ、宝島組、アメリカ組、SAI、ホワイマンなんですよね (12月23日 15時) (レス) @page50 id: 7ac5013380 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - マジですか?!私はアニメででしか知らないので....スタンリーやゼノをGoogleで知ってる程度で....彼らの良さを早く知りたいです!!ちなみに私は千空推しです! (12月23日 15時) (レス) @page50 id: 3281584211 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - 初コメント失礼します!最近読み始めたのですが素敵ですねこの作品!胸をキュンキュンさせながら見させていただいています!素敵な作品ありがとうございます! (12月23日 11時) (レス) id: 3281584211 (このIDを非表示/違反報告)
長庚(プロフ) - お気に入り100人いきました!皆様ありがとうございます! (11月22日 22時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長庚 | 作成日時:2023年10月14日 19時