心の距離、体の距離 【貴利矢】 ページ3
Aside
「ふぁぁ.....っ、腰...痛い...」
目が覚めると当然のように隣に貴利矢が居て。
私より先に起きていたのだろう。とっくに着替え終えていて、ベッドに腰掛けていた。
「ん、おはよ。大丈夫？」
「大丈夫じゃないよ...腰痛い」
「ごめんごめん。でも、ヨかったでしょ？ノリノリだったもんね♪」
「ううううるさいな！！」
まだ痛む腰を押さえながら起き上がり、貴利矢と向き合う。
目の前の恋人は、笑ってるのか笑ってないのかよく分からない眼で私を見ていた。
いつものへらっとした顔ではなく、時々見せる憂いを帯びた表情。
こんな眼をしてる時の貴利矢は、あまり前向きではない発言をすることが多い。
「いや、さ。よく自分と一緒に居れるよね、あんたは」
「は？どういう意味」
また始まった、と言わんばかりに顔をしかめてみせると、情けなく笑う貴利矢。
「あんたは、Aはさ。自分といて嫌にならないの？」
「嫌、ね...」
「中々こうやって二人で過ごす時間も取れないし...
最近はお互いすれ違ってる気がするんだよ」
そう言って貴利矢は俯く。
あまり会えないのは確かだが、そこまで気に病んだことは私自身無かった。
「だからこうやって会うたびにあんたを抱いてれば、
それだけで埋め合わせが出来る気がしてた。ごめん」
そう残してくるりと背を向ける。
―その背中があまりに寂しくて。
気付けば私は貴利矢を抱き締めていた。
「ごめん...ごめんね」
ただ謝り続ける貴利矢を、私は抱き締めることしかできなかった。
風邪っぴき、その甘え 【飛彩】→←伝えにくい、言い出しづらい 【大我】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 43人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なつ - 失礼しまーす.。とってもステキなお話ですね( *´-`) ところで、リクエストさせていただいてもよろしいでしょうか?大我ほのぼの、きりやんほのぼのが欲しいです><注文多くてすみません;;これからも頑張ってくださーい! (2017年10月22日 15時) (
レス) id: c8a40548e4 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(monograph) - リクエスト募集中！ (2017年7月27日 17時) (レス) id: 5475bbf4c3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：monograph | 作成日時：2017年7月27日 17時
