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レストランから出て、また彼とアスファルトを蹴る。同僚が勧めてくれただけあって、なるほど、これは美味しい！と納得させられる料理ばかりだった。
彼はそれはそれは美味しそうに食べていたものの、何故だか得意げに「これはスパゲティーじゃなくて、スパゲッッティだね」とか「うん、美味しいピッツァ」とかどうも鼻につく言い方をしていた。彼なりの賛美だと受け取ってはいるが、食レポあんまり向いてなさそうだな、とは思った。
腹ごしらえはよし。街を一度歩けばあれはなんて書いてあるの、これはなに、とまぁ隣で騒がしい彼の手を引き続ける。彼と電車に揺られて揺られて揺られて、ようやく辿り着けば日は暮れそうになっていた。
ここがフィレンツェだよ。彼はここがフィレンツェかぁと腑抜けた声で返した。
もうここまでくれば見慣れた街並みが広がっているだけ。帰りにいつもお世話になっているパン屋で買い物をして、ようやくアパートに辿り着いた。
階段を眺めて「……三階だよ」と言うと絶句した彼の背中を押して、なんとか我が家にたどり着く。
「いらっしゃい」
この日のために、いつもより念入りに掃除をした家。彼はよそよそしく会釈をしてスリッパを履き、私の後ろを素直についてくる。
「長旅だったわ〜〜〜〜、ほんっと！」
「お疲れ様」
拓也くんは家に入った途端、まず部屋のソファーにぼすっと体を埋めた。長い移動で相当滅入ってしまったらしく、「づがれだぁ〜〜」と伸び伸び言う声が聞こえた。その声を背に、キッチンで紅茶を淹れて持ってくると、彼はすでにうたた寝をはじめてしまっていた。
疲れているんだな、きっと。そう思って拓也くんを起こそうと伸ばしかけた手を引っ込めた。
この一週間もの休みを取るため、どれくらい身を削ってくれたのだろうか。日本を出国する時もギリギリまで仕事が入っていたと言うし、その後にこんな長期の移動をさせられたらそりゃ気疲れもするだろう。
風邪をひかないようにと掛け布団をかけ、電気を落としてあげて仕事部屋に移動する。デスクに向き合って、休み明けの仕事が少しでも楽になるよう、手を動かした。
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マニ。(プロフ) - まほろさん» ✉️。続編を見ました！面白いです！これからも頑張ってください、ボードの返事とかもお待ちしています💝 (12月30日 18時) (
レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - ささくさん» 素敵な感想を頂けてとても嬉しいばかりです。ささく様にいつかふと、思い出していただけるような作品になっていればと思います。新作も執筆途中ですので、ぜひ楽しみにお待ちいただければと思います。長らくお付き合いいただき、本当にありがとうございました！ (12月28日 18時) (レス) id: 0871b431d8 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - ささくさん» この度はご愛読いただきありがとうございました☺️ ありきたりな設定でありながらも家族をテーマにしたこの作品では、私としても考えさせられることがとても多く、時に皆様をお待たせしてしまうことがありました。無事、完結することができ安堵しております。 (12月28日 18時) (レス) id: 0871b431d8 (このIDを非表示/違反報告)
ささく - これからも陰ながら応援しております。新作等の予定がございましたらお知らせ願いたいです。まほろ様の書く小説が大好きな一読者より。 (12月23日 1時) (レス) id: 6670d41b0b (このIDを非表示/違反報告)
ささく - 本当に本当に、言葉にするのが難しいくらいまほろ様の文章に惹かれてしまいました。別作を拝見させていただき、あまりの文章力に魅了されこちらの作品も読ませていただいたのですが、家族の形や愛情の形の本質が詰まっている素敵なお話で胸を打たれました。 (12月23日 1時) (レス) @page41 id: 6670d41b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほろ | 作成日時：2022年9月20日 8時
