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だからずっと、避けてた。
この夏、会いたいと思っても、私はずっと我慢してきた。思わせぶりな彼に本気になってしまった以上、もう後に引くしか道はないと、言われなくてもわかってた。
久々に恋した彼との思い出を思い出しても、思い出は思い出だと胸の奥にしまって、大切にすることにした。だって私も、彼に恋をしていたから。
私はいつかまたイタリアに行く。その時、彼氏になった彼と別れるのは辛いと簡単に予想がついた。それにその時きっと私は彼をうんと困らせる。彼への未練が私の弱みになるのは勘弁だった。
例え愛を確かめても、私たちは紛れもなく兄妹に過ぎないわけで、世間様に大きな声で言える話でもない。二人で生きるのには、この世界はあまりに広すぎるのだ。二人の世界はあり得ない。
沢山のことで、お互いの首を絞めることになるのは、目に見えていた。
口を開いて、また閉じて。
そうしている間に、私の体はいつのまにか彼にから抱き寄せられる。その手の温もりが、私に決して薄れやしなかった過去の温もりをも思い出させた。
私の鼻腔をつつく、彼だけの匂い。体がじゅわっと熱くなり、触れられた部分だけがまるで腫れ上がるようだった。
「この好きが気のせいなら、もう俺は恋ができない。自分の好きをもう何も信じられない」
「……」
いかにも真面目に言い切った彼は、私を覗き込むようにして、私の頬を両手で優しく包み込んだ。
暗闇の中でも、しっかりと合う目と目。そらすにもそらせなくて、吸い込まれるように見つめていると、肩にとすっと彼のおでこが重なった。
りんご色の顔。爆速のビート。
「ねぇ、俺のこと、好きでしょ。バレてるよ」
ずるい。いつも、ずるい。
からかうようなその言葉に、あーでもないこーでもないと考えていた、胸のわだかまりがあっという間に溶かされる。
耳元で聞こえた、優しいキスの音。
「……ばかぁ！」
涙目でそう呟く私の唇に、彼は思いっきり唇を押し付けた。
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マニ。(プロフ) - まほろさん» ✉️。続編を見ました！面白いです！これからも頑張ってください、ボードの返事とかもお待ちしています💝 (12月30日 18時) (
レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - ささくさん» 素敵な感想を頂けてとても嬉しいばかりです。ささく様にいつかふと、思い出していただけるような作品になっていればと思います。新作も執筆途中ですので、ぜひ楽しみにお待ちいただければと思います。長らくお付き合いいただき、本当にありがとうございました！ (12月28日 18時) (レス) id: 0871b431d8 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - ささくさん» この度はご愛読いただきありがとうございました☺️ ありきたりな設定でありながらも家族をテーマにしたこの作品では、私としても考えさせられることがとても多く、時に皆様をお待たせしてしまうことがありました。無事、完結することができ安堵しております。 (12月28日 18時) (レス) id: 0871b431d8 (このIDを非表示/違反報告)
ささく - これからも陰ながら応援しております。新作等の予定がございましたらお知らせ願いたいです。まほろ様の書く小説が大好きな一読者より。 (12月23日 1時) (レス) id: 6670d41b0b (このIDを非表示/違反報告)
ささく - 本当に本当に、言葉にするのが難しいくらいまほろ様の文章に惹かれてしまいました。別作を拝見させていただき、あまりの文章力に魅了されこちらの作品も読ませていただいたのですが、家族の形や愛情の形の本質が詰まっている素敵なお話で胸を打たれました。 (12月23日 1時) (レス) @page41 id: 6670d41b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほろ | 作成日時：2022年9月20日 8時
