It was all too natural for me to fall in love with you. ページ15
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それは多分恋だった。
今日の天気予報では、三十度近くだと言っていて、げんなりした朝。いつのまにか時間が経っており、汗を拭きながら一人日陰のベンチで夕陽を見つめる。
あの日の事は、私たちの関係をグッと曖昧にするのに十分すぎた。
以前の二人の距離が決して遠かったわけではない。
彼の優しさで溶かされ、いつの間にか隣にいるのが当然となっていた。お互いを理解し、兄妹という枠に囚われない悠々自在な関係。彼が私に優しくしてくれるように、私も彼に優しくしようと思えるほど、居心地が良かった。彼が私を、無責任にも手懐けたから。
それでも私たちは、兄妹にすぎなくて。それをどこか頭の中で理解していたからこそ、決して超えられない一線があると、無意識のうちに妹の方は思っていた。
そしてそれが実際に示された時、踏み越えるか否か。そこの価値観がきっと、寄せ集めの兄妹だからか、合わなかった。
拓也くんとは少しずつ疎遠になり、もう一ヶ月半も会っていない。会いたいと思う気持ちと裏腹に、臆病な私が会ってどうするんだと押しとどめる。そうして迷っている間に、もう随分と間が空いてしまって、今度は手を出すのが怖くなった。
彼からの連絡は日に日に少なくなり、未だ細々と続いているものの、いつぷつんと切れてしまってもおかしくない。
ただこれが最後の縁だと縋り付くように、彼からの連絡が来ていないかと頻繁に確認している私。最高に可愛いでしょ。皮肉なことに。
あの日の彼はなんだかおかしかった。彼に抱きしめられる時に感じる二人の鼓動は、いつもよりずっと早くて、体に響き渡っていた。それが証拠。
私は多分、拓也くんに恋をしていた。
彼との一件を忘れようと思っていたところに、一人の男性が現れた。日本社に新しく雇われた、仕事のチームメンバーの一人で、笑った時の目尻の皺が可愛らしい男性だった。
彼は恥ずかしがりながら私をご飯に誘ってくれ、ディナーを共にしてから後日彼とデートを二回重ねた。私の話を楽しそうに聞いてくれて、何かと気にかけてくれて。あぁ、楽しいなと、久々に感じることができた。素敵な人だった。
三回目が今日だった。二人で朝から待ち合わせをして、散歩をして雑貨屋さんなんかに入って、ご飯を食べて。隣を見れば目を合わせてくる彼に、ただただ心が満たされた。
ただ、私は拓也くんに恋をしていたから。
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マニ。(プロフ) - まほろさん» ✉️。続編を見ました！面白いです！これからも頑張ってください、ボードの返事とかもお待ちしています💝 (12月30日 18時) (
レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - ささくさん» 素敵な感想を頂けてとても嬉しいばかりです。ささく様にいつかふと、思い出していただけるような作品になっていればと思います。新作も執筆途中ですので、ぜひ楽しみにお待ちいただければと思います。長らくお付き合いいただき、本当にありがとうございました！ (12月28日 18時) (レス) id: 0871b431d8 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - ささくさん» この度はご愛読いただきありがとうございました☺️ ありきたりな設定でありながらも家族をテーマにしたこの作品では、私としても考えさせられることがとても多く、時に皆様をお待たせしてしまうことがありました。無事、完結することができ安堵しております。 (12月28日 18時) (レス) id: 0871b431d8 (このIDを非表示/違反報告)
ささく - これからも陰ながら応援しております。新作等の予定がございましたらお知らせ願いたいです。まほろ様の書く小説が大好きな一読者より。 (12月23日 1時) (レス) id: 6670d41b0b (このIDを非表示/違反報告)
ささく - 本当に本当に、言葉にするのが難しいくらいまほろ様の文章に惹かれてしまいました。別作を拝見させていただき、あまりの文章力に魅了されこちらの作品も読ませていただいたのですが、家族の形や愛情の形の本質が詰まっている素敵なお話で胸を打たれました。 (12月23日 1時) (レス) @page41 id: 6670d41b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほろ | 作成日時：2022年9月20日 8時
