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生計。どうやら神にも生計という概念が存在するらしい。
なんだか生々しい響きだ。
「……」
「それで、その社のない神こそ持ち前のフットワークを活かそうぜ！って導入され始めたのがデリバリーゴット、というわけです。わかりやすく言えばデリヘルのゴット版。ヘルスではなく、あなたに些細な幸福を！的な」
妙に似ている語感だなとは思っていた。
俺の中の神というイメージがどんどん崩れていく。俺の中の神は生計を立てたりしないし、売れっ子とかの概念もないし、ヘルスとか言わない。
どうもスンとしてしまった俺に女は首を傾げ、それから「え、もうちょっと噛み砕いた方がいいですか？」と言ってくる。
首を横に振り考える。
話を聞いて一つ思ったのが、なるほどどうもそれなりに中身がある話っぽいぞということ。
そのあとまた生き別れの片割れの姿を探しながら、「ま、つまり私は子会社みたいなもんですわ」と付け足してくるので、思わず「夢もへったくれもないですね」とこぼしてしまう。
女はヘラリと笑って、またソファーの下を覗き込んだ。
「だって、夢じゃないですもん」
そう芯の通った声で言った彼女は突然「あったぁ！！」と歓声をあげた。驚いた。そこは俺が三十回は覗き見たはず。
思わず「マジか」と漏らすと、女は照れくさそうにえへへとはにかんだ。いや、別に褒めてねぇよ。
女が無事家から去り、ワイヤレスイヤホンを二つ揃えた部屋でふっと息を吐く。
ぜひまたご贔屓にと、やけに綺麗な笑顔で言った女の顔を思い浮かべる。
なんとも言えない、中庸をいくような面影のある顔。子供のようで、でも大人のようで、全体的になんだか不思議という言葉がバッチリだ。
本当に神なんだろうなぁと、どうしても思ってしまう。
本当にある話なのかも、これが現実なのかも実際定かではない。もしかしたら俺は長い夢を見ているのかもしれない。
自分でもとても信じられるような話ではないし、人様に話すことも憚られるような、そんな出来事である。
ただ、部屋に残る女のやわらかな残り香と、携帯にポツリと残った見慣れない番号が、これは現実なのだと俺に猛烈に語りかけてくるのが厄介だった。
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名無し - 普通の夢小説とは違う何とも言えない夢主の存在がたまらないです。まさかファンタジー（？）系でこんなにハマるとは思ってませんでしたほんとに。めちゃめちゃ面白いのでいつも更新楽しみに待ってます。これからも頑張ってください (4月13日 10時) (
レス) @page6 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 興味本位で見たらどっぷりハマりました。夢主ののらりくらりかわしていく感じがめちゃ好きです。小説の雰囲気も好きです。更新楽しみに待ちます (4月8日 1時) (レス) @page19 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - たれみみさん» とってもとっても嬉しいコメントありがとうございます〜🥲これからも更新続けてまいりますのでぜひご愛読くださいませ(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)ᐢ コメントもお待ちしております！ (2月19日 20時) (レス) id: 0871b431d8 (このIDを非表示/違反報告)
たれみみ(プロフ) - まほろさんの新作とっっっっっっても楽しみにしておりました。入りからずっと最高です…ありがとうございます…この作品の更新楽しみにこれから生きていこうと思いました。ありがとうございます。 (2月16日 18時) (レス) @page1 id: 2e7d03848e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほろ | 作成日時：2024年2月15日 18時
