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会計を済ませ、出先に店員さんに図々しくも「その飴って、もらえます？」と子供用であろう飴を強請っていた女は、アホみたいに棒付き飴を舐めながら俺の後ろをついてきている。
なんて図々しい奴なんだと思ったが、ファミレスともあろう場所が客を一人見落としていたわけだから、それを水に流すという意味ではどちらにとっても利があったのかもしれない。
マンションのエントランスを通り、二人でエレベーターに乗り込む。
隣でやけに興奮しながら「すんごい！！エレベーターがなんか輝いてる！」と言っている女を前に、お前は俺の家までどうやってきたんだと思わず口から飛び出しそうになったが、なんとか飲み込んだ。
こいつに俺の常識は通用しない。
この時の俺はなんだかんだ言いつつ、こいつのことを若干信じていたのだと思う。
だってこんな怪しさ満点の女を、普通家にいれるだろうか。冷静になればノーだ。人はこうやって騙されていく。
「うーん、イヤホンねぇ」
床を眺めながら呟くあいつの声が聞こえた。
そもそも俺とこいつがファミレスに行ったのは、五円玉をお釣りで作るためだった。
こいつを呼び出したのはいいものの、財布を開くと五円は無く、目の前で「前払いでーす」という女にため息をついた。
「最近よくニュースとかでも聞きますよねぇ。線路に落とす事例が多いって。失くすくらいなら紐でもつけとけばいいのに」
それはもうワイヤレスである意味がない。
ワイヤレスイヤホンという発明品の根底を揺らがす発言をした女は、「この辺な気がするんですけど」と言いながらソファーの下だとか、家具の隙間を覗きながら部屋を探索する。
「ついでになんか、聞きたいことあります？」
コード類を持ち上げながら、そう投げかけられる。
「……デリバリーゴットって、なんなんですか」
「なんなんですか、とは？」
「いや、その……神って普通に神社とかにいるもんじゃないんですか」
「あー、まぁそうなんですけど」
女は作業の手を止めて、少し悩みこんだあと、俺の方を振り向いた。
「日本は八百万の神がいるんで、神社持ってない神も沢山いるんですよ」
「はぁ」
「でもお社がないとお賽銭してもらえませんから、生計立てるのに困るでしょ？ だから社を持ってない神は所謂売れっ子、と呼ばれる神に雇われの身になるんです。例えば弁財天とか、毘沙門天とか」
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名無し - 普通の夢小説とは違う何とも言えない夢主の存在がたまらないです。まさかファンタジー（？）系でこんなにハマるとは思ってませんでしたほんとに。めちゃめちゃ面白いのでいつも更新楽しみに待ってます。これからも頑張ってください (4月13日 10時) (
レス) @page6 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 興味本位で見たらどっぷりハマりました。夢主ののらりくらりかわしていく感じがめちゃ好きです。小説の雰囲気も好きです。更新楽しみに待ちます (4月8日 1時) (レス) @page19 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - たれみみさん» とってもとっても嬉しいコメントありがとうございます〜🥲これからも更新続けてまいりますのでぜひご愛読くださいませ(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)ᐢ コメントもお待ちしております！ (2月19日 20時) (レス) id: 0871b431d8 (このIDを非表示/違反報告)
たれみみ(プロフ) - まほろさんの新作とっっっっっっても楽しみにしておりました。入りからずっと最高です…ありがとうございます…この作品の更新楽しみにこれから生きていこうと思いました。ありがとうございます。 (2月16日 18時) (レス) @page1 id: 2e7d03848e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほろ | 作成日時：2024年2月15日 18時
