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でもそれも考えてみれば当たり前のことで。
人の世があるから神は存在する。宗教のない国に神はいない、だっけ。
つまり人間と神は、俺が今実感しているよりもずっと遥か昔から、見えないところで共存してきていたのだろう。
上場だとか、保険だとか、歩合だとか。味気ないように聞こえるその数々も、俺が今生きている現実世界で実際にあることなんだから、そりゃ神の世界でもあるに決まってる。
だって俺らは日々、ことあるごとに神からしたら取るに足らない願い事をするのに、会社って何、給料って何、状態だったら話にならない。
神と人は絡み合って繋がっている。俺が、いや人が知らないところで。
「じゃあずっとその、恵比寿さんとこで勤めてた、と」
「いや勤め出したのはここ五十年前くらいですね」
「じゃその前は？」
「天神様のところ」
サラッとすごいこと言ったなこいつ。寒そうにダウンに顔をうずめながら、そこそこすごいこと言ったな。
「なんでやめたんですか」
「冬が忙しすぎる。受験生就活生、大層な事願いすぎ、まじめんどくせ〜ですわ」
ため息をついて、こいつはとまた絶句する俺に「すみませんねぇ風情がなくて」とツンケンした態度で言ってくる。
本当に人間臭いやつだ。
マンションの目の前について、当たり前のように俺が鍵でドアを開けるのを待っているであろうこいつに「え、うち来る気なんすか」と思わず尋ねる。
いつものように、あのにっこりとした、貼り付けたような笑みで一言。梅原さん最近甘いもの、いっぱい食べられなくなってきたんでしょ、と。
どうやらお見通しらしい。
「もっとマシなことにその能力的なの使ったらどうですか」
「え〜でもこれも人助けですよ」
「頼んでませんけどね」
冷蔵庫に入ったチョコケーキ。まぁ確かに、一人で食べ切れる量じゃないし。あげる人もいないし。
なんて思ってしまう俺は、どうもうまく懐に入られたらしい。
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続く
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名無し - 普通の夢小説とは違う何とも言えない夢主の存在がたまらないです。まさかファンタジー（？）系でこんなにハマるとは思ってませんでしたほんとに。めちゃめちゃ面白いのでいつも更新楽しみに待ってます。これからも頑張ってください (4月13日 10時) (
レス) @page6 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 興味本位で見たらどっぷりハマりました。夢主ののらりくらりかわしていく感じがめちゃ好きです。小説の雰囲気も好きです。更新楽しみに待ちます (4月8日 1時) (レス) @page19 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - たれみみさん» とってもとっても嬉しいコメントありがとうございます〜🥲これからも更新続けてまいりますのでぜひご愛読くださいませ(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)ᐢ コメントもお待ちしております！ (2月19日 20時) (レス) id: 0871b431d8 (このIDを非表示/違反報告)
たれみみ(プロフ) - まほろさんの新作とっっっっっっても楽しみにしておりました。入りからずっと最高です…ありがとうございます…この作品の更新楽しみにこれから生きていこうと思いました。ありがとうございます。 (2月16日 18時) (レス) @page1 id: 2e7d03848e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほろ | 作成日時：2024年2月15日 18時
