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あいつは「梅原さんは本当に人生色んなことでお困りのようで」と口角をあげながら近づいてきた。何用かと聞かれ言い淀む俺に、「もちろん相談事も受け付けておりますよ」と告げてきた。
相談事ではない。ただ。
事情を話すと隣を歩く女は、「なんか、胡散臭くないですかそれ」と感想を述べた。お前も胡散臭いの塊じゃないかと言いかけて、やめた。別に言っても良かったけれど、言ったら言ったでめんどくさそうだ。
びゅうと風が吹きつける。俺とこいつの間を割くように吹き込む風が冷たくて、眉間に皺を寄せる。
「……あんた、幽霊とはまた違うんですね」
隣で身震いをする彼女は、俺を見上げて鼻で笑う。その鼻はほんのり赤くなっていて、俺の知らない合間に冬は目の先まで来ているようだった。
「言っときますけど神様と幽霊、雲泥の差ですから。月とスッポン、小石とシャンデリア！」
なんだそれ。でも例えがものすんごくわかりやすい。まさに言い得て妙だ。
「でもぶっちゃけ物は言い様な感じ、ありません？」
「……梅原さん恵比寿様を前に同じこと言えます？」
「流石にそれはちょっと」
「ほんと嫌味な人ですねあなた」
失礼しちゃうという言い分が顔から滲み出ている。
クツクツと喉元から笑い声を漏らすと、「これでも私の大元は恵比寿様ですからね」と呆れたように言われた。
「え？」
思わず足を止め、柄にもなく大きな声を出す俺に、首を傾げながら「言ってませんでしたっけ、」と。
「私の雇い頭は恵比寿様、夢の超大企業！ 恵比寿カンパニーですよ」
「恵比寿、カンパニー……」
「デリバリーゴットは言わば、恵比寿カンパニーの事業拡大！」
「……カンパニーってことは、会社？」
「そう、グループ会社」
何を当然のことを、と付け足す彼女を前に俺は言葉を失っていた。
恵比寿、つまり七福神の大エース。今まで神(仮)くらいの扱いだったこいつが、俺の中で盛大な話の中の、そこそこすごい人物に変わり果てる。
嘘だろこんな奴がと絶句する俺にこいつはため息をついて、「私をなんだと思ってるんですか……」と呟いた。
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名無し - 普通の夢小説とは違う何とも言えない夢主の存在がたまらないです。まさかファンタジー（？）系でこんなにハマるとは思ってませんでしたほんとに。めちゃめちゃ面白いのでいつも更新楽しみに待ってます。これからも頑張ってください (4月13日 10時) (
レス) @page6 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 興味本位で見たらどっぷりハマりました。夢主ののらりくらりかわしていく感じがめちゃ好きです。小説の雰囲気も好きです。更新楽しみに待ちます (4月8日 1時) (レス) @page19 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - たれみみさん» とってもとっても嬉しいコメントありがとうございます〜🥲これからも更新続けてまいりますのでぜひご愛読くださいませ(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)ᐢ コメントもお待ちしております！ (2月19日 20時) (レス) id: 0871b431d8 (このIDを非表示/違反報告)
たれみみ(プロフ) - まほろさんの新作とっっっっっっても楽しみにしておりました。入りからずっと最高です…ありがとうございます…この作品の更新楽しみにこれから生きていこうと思いました。ありがとうございます。 (2月16日 18時) (レス) @page1 id: 2e7d03848e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほろ | 作成日時：2024年2月15日 18時
