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ベラベラとくだらない話をしている女の声を右耳から左耳へと流しながら考える。
人は見た目が九割。どこかで聞いたことあるその指標をもってすると、俺の奥底に眠る欲に沿って形成される外見というのは結構理に適ってるのかもしれない。いつかに彼女が言っていた。神は人が信じるから存在するのだと。
俺はこの女に既に絆されつつある。だけどこの女がもしヤクザを彷彿とさせる風貌だったら、もし小汚いよろよろのおじいさんだったら。どうだろうか。俺は今この瞬間のように、対面した状態でまともに会話をしているだろうか。
俺がこの外見の人を求めているというのは少し語弊がある気がするが(俺がそう思いたいだけなのかもしれない)、随分上手くできているんだなと、そして随分こいつは上手くやってきたんだなと思ってしまう。
「結局人によって見え方が違うって、結構私にとっては得なんですよね」
「やっぱり」
「あ、やっぱ気づいてました？」
「便利なもんですね神ってのは」
誰も心の奥底からブスを熱望してる人なんてなかなかいないだろう。こいつは多分その時々その個々人の価値観に沿った、一番の美人で見られてきたに違いない。
そうでしょうと得意げに言うこいつの口に、スプーンに巻きつけたカルボナーラを突きつける。
目を丸くしながらも、自分の食への関心には背を背けられなかったのだろう。彼女は効果音がつきそうな勢いでそれを食べた。ついでに皿を指の腹で少し押して、「あげます」と。とても外見からは考えられないほど食べるこいつでも、女性が三人前とちょっとを食べるのは無理があるかと思ったが杞憂だったようだ。本当によく食うなあと思った。
そして気づく。
「何笑ってるんですか？」
「いやいやちょっと、ッフフ」
「なんですか」
「あなた、この外見がほんとの姿じゃないんでしょ」
「本当の姿っていうか……まぁ、そうといえばそうですけど」
それが何かとでも言いたげなこいつを前に、目を合わせて答え合わせ。
俺は今までお前を外見通り小柄な女だと思ってきた。だけどそんな一女性がこんなに食えるはずがない。つまりお前の本質は、外見とは似つかない100キロデブかもしれないのだと。
女は俺の持論にため息をついて、「あーあ！やな奴！」と言い放った。それでも食べるのを止めない彼女の手に思わず吹き出すと、彼女は「本ッ当、絶対結婚したくない！」とむくれ顔で言った。
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名無し - 普通の夢小説とは違う何とも言えない夢主の存在がたまらないです。まさかファンタジー（？）系でこんなにハマるとは思ってませんでしたほんとに。めちゃめちゃ面白いのでいつも更新楽しみに待ってます。これからも頑張ってください (4月13日 10時) (
レス) @page6 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 興味本位で見たらどっぷりハマりました。夢主ののらりくらりかわしていく感じがめちゃ好きです。小説の雰囲気も好きです。更新楽しみに待ちます (4月8日 1時) (レス) @page19 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - たれみみさん» とってもとっても嬉しいコメントありがとうございます〜🥲これからも更新続けてまいりますのでぜひご愛読くださいませ(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)ᐢ コメントもお待ちしております！ (2月19日 20時) (レス) id: 0871b431d8 (このIDを非表示/違反報告)
たれみみ(プロフ) - まほろさんの新作とっっっっっっても楽しみにしておりました。入りからずっと最高です…ありがとうございます…この作品の更新楽しみにこれから生きていこうと思いました。ありがとうございます。 (2月16日 18時) (レス) @page1 id: 2e7d03848e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほろ | 作成日時：2024年2月15日 18時
