プロローグ ページ1
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八月、某所。
人並みから外れ、冷や汗をかきながら路地にしゃがみ込んだ。
嫌な予感はしていた。
気のせいだと現実から目を背けていたら、このザマだ。だんだんと波のように痛みが増していくこの腹痛に顔を顰める。
トイレに行きたくなるような痛みとはまた違った突き刺すような痛みのせいで、到底立ち上がれるような状態ではない。じっとりとした熱気を孕む外気とは裏腹に、背中には冷や汗が滑り落ちる。
腹痛、すぐに治す方法。お腹痛すぎる。お腹痛い、立ち上がれない。
次々検索してヒットするサイトをスクロールしていっても、いやいや今ここじゃ解決しないだろ、みたいなことばっかりがつらつらと書き並べられている。全くもって使えない。
携帯に表示される時間を見てため息をついた。
今日は予定が詰まっている、それなのに現状は悪くなる一方で、どうにもこうにも動けないまま刻一刻と時は進む。
どうすりゃいいんだ、これ。
取りつく島も無く、何度目かもわからないため息が溢れた。
そして胸の中で神様どうか、と。
いつもは微塵も信仰心ないくせに、正月とこういう時だけ神様と縋る自分はなんてやつなんだろう。こんなことになるなら普段からちゃんとお参りとかしとけばよかった。
後悔をしながら携帯をながし見ているとふと目に入る。
「デリバリー、ゴット？」
妙に目を引くそれをタップすると『雑用相談なんでもガッテン！神の力にお任せあれ！』なんて言葉と共に、電話はこちらからと記されていた。なんだこれ、嘘臭え。
いつもなら一蹴する胡散臭さだったが、俺の指はゆっくりとその電話番号の青字をタップしてしまいら電話をかけていた。
すがれるものであれば、もはや藁でもなんでもよかったのかもしれない。
数コールしても出ない。
現実に引き戻され、だよなぁと一人苦笑いで呟く。気が抜けたんだろうか、少しだけ腹痛がマシになった気がした。
うだるような暑さ。ぼたぼたと汗が零れる地面を見つめ、そろそろ立ちあがろうと心に決めたその時、頭上に影ができた。
目線を上に上げると俺を覗き込んでいる女が一人。
「デリバリーゴットです！」
その女はにっこりと笑って、そう俺に投げかけた。
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名無し - 普通の夢小説とは違う何とも言えない夢主の存在がたまらないです。まさかファンタジー（？）系でこんなにハマるとは思ってませんでしたほんとに。めちゃめちゃ面白いのでいつも更新楽しみに待ってます。これからも頑張ってください (4月13日 10時) (
レス) @page6 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 興味本位で見たらどっぷりハマりました。夢主ののらりくらりかわしていく感じがめちゃ好きです。小説の雰囲気も好きです。更新楽しみに待ちます (4月8日 1時) (レス) @page19 id: 5d4eebdee6 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - たれみみさん» とってもとっても嬉しいコメントありがとうございます〜🥲これからも更新続けてまいりますのでぜひご愛読くださいませ(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)ᐢ コメントもお待ちしております！ (2月19日 20時) (レス) id: 0871b431d8 (このIDを非表示/違反報告)
たれみみ(プロフ) - まほろさんの新作とっっっっっっても楽しみにしておりました。入りからずっと最高です…ありがとうございます…この作品の更新楽しみにこれから生きていこうと思いました。ありがとうございます。 (2月16日 18時) (レス) @page1 id: 2e7d03848e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほろ | 作成日時：2024年2月15日 18時
