第40話 ページ2
side.KENJIRO
隆「けーんちゃん」
「ん？」
隆「昨日、入りの時間
ギリだったらしいね？」
.
「直人さん…」
『…あ、君…えーっと…』
直人さんが運び込まれた
ICUの前で
俺を見て、眉を寄せて
考えるお医者さんに自己紹介した
「…メンバーの
山下健二郎です」
『あー、そうそう！
ごめんねぇ、おじさん
テレビとかあんまり見ないから』
温厚な笑顔が誰かと重なる
その先生は
主治医の坂本です、と
名乗ってくれた
坂「…ここに来たって事は
聞いたんだね？」
「はい…
あの、容態って…」
坂「あんまりね、良くないんだ
抗がん剤治療も、結局
受けてくれないままだし…」
…やっぱり
「いつから、ですか」
坂「え？」
「…治療、受けなくなったん」
坂本先生は、俺の顔を
凝視したまま
少しフリーズした
そのまま目を逸らして
口に手を当て、
かと思えば自分の髪を
ぐしゃぐしゃと掻き乱したり
「…あの…？」
坂「っあ、ごめんね、」
顔を上げた先生は
めっちゃ困った顔してて
分からへんのかなって
一瞬、思ったけど
坂「…分からないんだ
君に、
なんて言えばいいのか」
「…え、？」
坂「俺の語彙力じゃ
足りないみたい」
何が言いたいんか
俺にはさっぱりやった
先生の言葉が
絞り出すように、震える声で
聞こえたその後の言葉で
一瞬にして
理解が出来た
坂「…どうすれば、
どう言えば、君が
傷付かないでいられるか」
.
あの後
全速力で向かったけど
…って言ってもまぁ、全力なんは
乗せてくれたタクシーやねんけど…
着替えとメイクの時間
逆算したら
撮影ギリギリの入りやった
「マネージャーのあんな怖い顔
久しぶりに見たわ」
何を言うでもなく
顎で楽屋を指し示して
その目が
"早くしろ"って言ってた
隆「俺の所に電話来てさぁ
"健二郎がどこで油売ってるか
知らない！？"って(笑)
いや、知るわけないじゃん(笑)」
「ごめんなぁ(笑)」
隆「まぁ、びっくりはしたけど
迷惑はしてないから」
ソファに沈む俺の上から
探るような目で見つめる隆二
けど、こいつからは
絶対何も言わへん
待てば、俺が話すって
信じてるから
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カナやん大好き - 続編おめでとう！自分のペースで頑張ってね！ (2019年5月12日 9時) (
レス) id: 636dc1adae (このIDを非表示/違反報告)
KOTONE.K - 続編待ってました！無理しない程度に更新頑張ってくださいね！ (2019年5月11日 22時) (レス) id: fae08584ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SiMa | 作成日時：2019年5月11日 16時
