邦ロック〜とりあえずは短編集〜

山中拓也 ページ4

いきなりやねんけどな、俺には好きな人がおるんよ｡
でもな、その人は俺の事好きじゃないと思うんよ。
誰やねん、片思いの方が両思いより楽しいとか言った奴
ぶっ飛ばしたろk｢拓也くん!｣

｢!!なんや、Aか｡笑｣

｢何か1人で言ってたけどどうしたの?｣

｢う、いや、何もないで!｣

あかん、あの話はAには聞かれたらあかん!

そう思ってふとAの首元を見ると、綺麗なネックレスがあった｡
それはまるで、Aが誰か―Aの大切な人から貰ったものに見えて、俺の胸が締め付けられた｡

｢なぁ、A、そのネックレス可愛いやん｡
誰にもらったん?｣

｢これ？これは、誕生日に友達からもらったネックレs｢誰?｣

｢え、?｣

｢その友達って誰?｣

｢え、あの子、いつも一緒にいる柚葉ちゃん。｣

…なんや女子からか。

｢どうしたの、拓也くん。そんなほっとした顔をして｡｣

｢ああ、いや、何もないんやけどな｡
さっきちょっときつく言ってもうて悪かったな｡｣

｢ううん、大丈夫｡｣

｢てっきり誰か男からもらったんやと思って｡笑｣

｢男の人から？ないない!笑
まず私にネックレスくれるような男の人なんていないもん｡｣

｢…好きな人から欲しいとか思ったりせんの?｣

｢んー、好きな人からねぇ…｡
欲しい、けど、くれなさそう…｡｣

｢うわっ、そいつ最悪や｡笑
好きな人にプレゼントの一つぐらい送らな｡笑｣

って事は、Aは好きな人おるんか｡
誰や!

｢拓也くんこそ、好きな人いないの?｣

｢俺!?お、おるけど｣

｢けど？｣

｢そいつは俺のこと好きじゃないんと思うんよなあ｣

｢えっ、そうなんだ｡
拓也くんみたいな人に好かれたらその子も嬉しいだろうなぁ｡｣

嬉しいんかなぁ……?
ん?A、今嬉しいって言った!?

｢なぁ、Aの好きな人ってどんな人なん？｣

｢私の好きな人?
うーん、、、一緒に話してると楽しくて、歌がうまくて、あ、隣にいると安心する人｡｣

誰やねん!
全然俺っぽくないやないか!

｢そんなふうに思われて、Aの好きな人って幸せやなぁ｡｣

｢拓也くん、今幸せ?｣

｢俺?うん、幸せやで?｣

｢そうか｡笑じゃあほんとに私の好きな人は幸せなんだね｡｣

｢え、俺!?…｣

｢やっと気づいた?｣

突然のことで俺は頭が真っ白
まさか、まさか俺やなんて!
｢嬉しい!｣


その頃物陰で…
鈴｢お、やっとや｣
あ｢え、ほんまに!｣
中｢あいつらほんまに自分らが両思いって気づいてなかったんか…すごいわ｡｣

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