過去の正体(伍) ページ34
「でも禰豆子は人間だと判断してます。だから守ろうとした」
珠世は涙を流した。
彼女の涙に動揺した炭治郎はオロオロして、禰豆子を珠世から離れさせようとする。
「ありがとう禰豆子さん、ありがとう…」
だがその必要はないようで、珠世も禰豆子を抱きしめた。
禰豆子を抱きしめる彼女の姿を見てAは言った。
「…珠世さん…でしたっけ?あなた方は本当に人間に協力してくれるんですか?」
「はい。人間…というか炭治郎さんに。
私も鬼舞辻を抹殺したいと思ってますので。」
「鬼舞辻を…。
ーーーー禰豆子を人間に戻せるっていうのは?」
「私は医者でもあるので、鬼になった人間を元に戻す薬を作りたいと思っているんです。そのためには沢山の鬼の血を調べる必要がある。」
「だからさっき炭治郎が鬼の血がとれるって言ってたのか。
それはより強い鬼からとった方がいいんですか?例えば、十二鬼月とか。」
物わかりのいいAに我慢できずに炭治郎が口を挟んだ。
「なんでわかるんだ!?そうなんだ、より鬼舞辻の血が濃い鬼からとりたい。」
「なるほど。鬼舞辻を倒すという目的も一致しててなおかつ禰豆子を人間に戻せるかもしれない…だから協力したのね。」
炭治郎はうなずいた。
Aは愈史郎と珠世を改めて見て、頭を下げた。
「ごめんなさい。よく知りもしないで刀を向けて、殺そうとして。」
彼女からの謝罪に愈史郎は口を開けて唖然としている。
「お前正気か?鬼に頭を下げるなんて…馬鹿なのか?さては馬鹿だな。」
「愈史郎っ!失礼ですよ!
そんな、謝らないでください。私たちも炭治郎さんやAさんに出会う今日まで、鬼狩りにもこんないい人たちがいるなんて知らなかったのですから。お互い様です。」
珠世もAに続けて頭を下げた。
「信じてくれてありがとう。Aも一緒に鬼の血をとってくれるか?」
「そうだね、出来る限り協力する。」
こうして鬼の血を集める事になった炭治郎とA。
「鬼舞辻を殺す事が出来れば…お姉さん達の仇もとれるな」
「そうだね…」
炭治郎とAの会話に反応する珠世。
「Aさんにはお姉さんがいたんですか?」
珠世の問いにAは頷く。彼女の反応を見た珠世は少し言いにくそうに
「鬼舞辻が仇…ということはお姉さんは鬼に…?」
「はい。」
何故そんなことを聞くのだろうとAは不思議そうな表情。
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お茶犬(プロフ) - るんるさん» はじめまして。全然気づいていませんでした、教えて頂きありがとうございます!修正しました!褒めて頂けてとても嬉しいです!!頑張ります!またお時間ある時にでもお話読みにきてください(*´-`) (2020年11月4日 19時) (レス) id: 72156f6cb2 (このIDを非表示/違反報告)
るんる(プロフ) - すみません。炭治郎の字が違います,,,お話めちゃめちゃ面白いです!頑張ってください! (2020年11月3日 23時) (レス) id: 89ac41ad4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶犬 | 作成日時:2020年10月22日 23時