鍛練(弐) ページ12
嫌味のない彼女の満面の笑みにいつも穏やかな炭治郎もさすがに思うところがあった様子。
「よしっ。」
気合をいれ、炭治郎は刀を構えAに向かっていく。
そして、目の前にいる彼女に刀を振り下ろした。
ーーーーーーつもりだった。
炭治郎の降った刀は虚しくも空を斬った。
(消えた!どこだ、攻撃に備えないとーーー)
そう考え、急いで攻撃に備えるために態勢を整えようとする。が、そんな炭治郎の左肩、腕の付け根あたりにバンっと木刀が当たった。
「痛っ。」
思わず炭治郎の声が漏れる。
(後ろか!!)
急いで後ろを振り返るが、その間にまずは右膝のあたりを横から一発、次に左膝のあたりを同じように横から一発木刀が当たる。
炭治郎は両膝の痛みに耐えながらなんとか後ろを向き、やっと捉えた彼女の姿に刀を振り下ろす。
2人の刀はぶつかり合うが、炭治郎は不思議な感覚を味わっていた。
それが何なのか考える暇もなくぶつかり合っていた刀は離され、Aの木刀が炭治郎の右腕、そして首を叩いた。
「いってぇえ!!」
「はい、これで炭治郎は四肢と首を斬られました!」
「うわっほんとだ!俺死んだ…」
「ねっ?木刀で良かったでしょ?」
「………すごいな!A!もう一回!」
鱗滝の言う通り10分の手合わせだったが、炭治郎はAを触れることさえできなかった。
それに対して炭治郎はAに執拗に四肢と首を狙われ、同じところを何度も叩かれたためその場所がジンジンとしていた。
「A超強いな…。俺頑張んないとダメだな…。
そういえば、Aと闘ってる時不思議な感じがしたんだ、なんかこう…スカって空振りする感じ。」
「それは私が炭治郎の力を逃したからだね。うまく力が込められてる感じがしないでしょ?」
「そうだ!そういう感じ!」
「どこまで頑張ったところで私は女だから、やっぱり男の人には力が適わない部分があるでしょ?だから刀の向きを工夫して力が逃げるようにしてるの。
自分の弱点を強化することも大事よ。」
彼女は最後に私もまだまだ鍛錬が足りないんだけどね、一緒に頑張ろう。と付け加えてもう時間だからと鱗滝にも声をかけて出かけていった。
去り際に炭治郎が
「また手合わせしてくれ!次はもっと強くなっておくから!」
「うん!また来るね!禰豆子にもよろしくねっ」
手を振って彼女は去っていった。
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お茶犬(プロフ) - るんるさん» はじめまして。全然気づいていませんでした、教えて頂きありがとうございます!修正しました!褒めて頂けてとても嬉しいです!!頑張ります!またお時間ある時にでもお話読みにきてください(*´-`) (2020年11月4日 19時) (レス) id: 72156f6cb2 (このIDを非表示/違反報告)
るんる(プロフ) - すみません。炭治郎の字が違います,,,お話めちゃめちゃ面白いです!頑張ってください! (2020年11月3日 23時) (レス) id: 89ac41ad4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶犬 | 作成日時:2020年10月22日 23時