過去の正体(拾参) ページ42
隠れていた廊下の隅からバレないように少しだけ顔を出した。
そこにはやっぱりさくらがいた。……と、頭から墨を被ったみたいな髪色の男。見たこともない人だった。
さくらの知り合い…?
ーーーーいや。そんなことより。さ、さくらがこいつらを連れてきてみんなを殺したってこと…?
「君、さっきから何気にひどいこと言うよねぇ。
目の前でお父さん殺されても笑ってたし、今しがたお姉さんが死んでしまったっていうのにその言い草。
ハハッいい性格してるね、僕は好きだなあ」
ーーーーーー"お父さんが殺されても"……"お姉さんが死んでしまった"………?
男が放った言葉が頭の中で響いた
この人たちは何を言っているんだろう
「こいつらの事なんかどうだっていいのよ!!元々家族でもなんでもない、ただの赤の他人の癖に家族ごっこなんかして。こいつらは良いことしてる自分に酔ってるだけ。ほんっとに大嫌いだったんだから。
だからあんた達に協力したんでしょ!?もう!血が止まらないじゃない!こいつらはもう死んだんだし早く私を助けなさいよ!!!」
…誰?こんなことを言うこの女は誰?
……みんな死んじゃったの?お父さんもお姉ちゃんも?
「まだだよ。もう1人いるだろう?その子が一番血が濃いはずだ。ああ、楽しみだなぁ稀血の女の子を沢山喰べられるのは」
男は気味悪く笑っていた。
喰べる…?喰べるってどういうこと…?
ーーまさか、お、鬼?
信じられない。いつもお母さんから聞いてたけど、まさか、本当に私の家が襲われるなんて。しかもまだ私を探してるんだ。一番匂いの濃い、血が濃い私を。
恐怖で震えが止まらない。息が上がる。体に力が入らない。立っているのがやっとだ。
「は!?まだ私を使う気なの!?いい加減に解放してよ!!言われた通りこの家に連れてきて藤の花もどかしたでしょ!?そもそも私あんたのせいで怪我したのよ!?痛くて痛くてどうしようもないんだからどうにかしてよ!!!」
さくらの着物は確かに血で汚れていて、お腹のあたりを手で押さえてあの鬼に怒鳴りつけていた。
…やっぱり、さくらがこの鬼をうちに連れてきたんだ。藤の花の壁を壊したのもさくら。そこを通ってこの鬼はうちに入って、お母さん達を殺した。
なんで。なんでよさくら。ーーーーー許せない。
恐怖とは別に怒りでも震えた。
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お茶犬(プロフ) - るんるさん» はじめまして。全然気づいていませんでした、教えて頂きありがとうございます!修正しました!褒めて頂けてとても嬉しいです!!頑張ります!またお時間ある時にでもお話読みにきてください(*´-`) (2020年11月4日 19時) (レス) id: 72156f6cb2 (このIDを非表示/違反報告)
るんる(プロフ) - すみません。炭治郎の字が違います,,,お話めちゃめちゃ面白いです!頑張ってください! (2020年11月3日 23時) (レス) id: 89ac41ad4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶犬 | 作成日時:2020年10月22日 23時