接近(壱) ページ25
「はい、到着しました。」
忍びのような格好をした人に背負われていたAは目的地に到着するとそう声をかけられた。
目を覆われていた布と耳栓がはずされ、少し久しぶりの光に彼女は目が慣れず目を細めている。
「背負ってくれてありがとうございました!
……まぶしい。」
「変な顔してるぞ。」
「変じゃない!!」
怒るAの前には彼女の眩しそうな顔を見てからかう義勇がいた。
2人は日輪刀を新しくしてもらうため刀鍛冶の里へやって来た。
そのことをたまたま会ったお館様にAが話すと、いつもお世話になってるお礼も言って来てねと言われたのでその挨拶も目的の一つだ。
2人は里の中をしばらく歩き、里の長である鉄地河原鉄珍のいる建物へ。
中へ入ると2人の部下を両端に座らせ、鉄珍はその真ん中にちょこんと座布団に座っている。
Aと義勇は中に入り、挨拶をする。
「ご無沙汰してます、鉄珍様。お館様よりいつもありがとうと伝言預かりました。」
「おお、Aちゃんやないか!相変わらずかわえぇなぁ。ええ香りもするわ。
冨岡くんも久しぶりやな。まぁ2人ともゆっくりしていきぃ。」
鉄珍を前に綺麗に頭を下げていたAだったが、挨拶もそこそこにいつもの調子で話し始める。
「鉄珍様いつも可愛いって褒めてくれるから好きですっ。義勇さんはいつも私の顔見て変な顔ってバカにしてくるんですよ!ひどくないですか??」
「冨岡くんはAちゃんがかわえぇから照れとるんよぉ。あぁワシがもう少し若ければな、今からでも遅くないか。どう?ワシ。この里で1番偉いワシの嫁はんなっとくか?」
「もう!冗談ばっかり言う!」
彼女は笑いながら言うが、その横で義勇は真顔。
「鉄珍殿、ゆっくりさせて頂きます。では失礼。」
「おー、いつも鬼相手にして疲れてるやろ。温泉でも入って行き。」
「ありがとうございます。私も失礼しますね」
義勇が立ち上がったのをきっかけにAも挨拶をして外へ出た。
2人は今夜泊まる旅館へと歩く。
「ふふっ鉄珍様相変わらず可愛らしい方でしたね」
「可愛い…?そうか?」
「可愛いですよぉちょこんってしてて」
彼女は鉄珍の小ささを表すように両手で小さな丸を作って義勇に見せた。
彼はやっぱり可愛いという概念が分からないようで首を傾げている。
「え!今の義勇さん可愛い!首コテって!キュンとした!」
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お茶犬(プロフ) - るんるさん» はじめまして。全然気づいていませんでした、教えて頂きありがとうございます!修正しました!褒めて頂けてとても嬉しいです!!頑張ります!またお時間ある時にでもお話読みにきてください(*´-`) (2020年11月4日 19時) (レス) id: 72156f6cb2 (このIDを非表示/違反報告)
るんる(プロフ) - すみません。炭治郎の字が違います,,,お話めちゃめちゃ面白いです!頑張ってください! (2020年11月3日 23時) (レス) id: 89ac41ad4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶犬 | 作成日時:2020年10月22日 23時