22 まるで夜の森 F7 ページ28
施設の中は、2000年前を生きるAにとっては全てが新鮮で、“見応えたっぷり”という言葉がぴったりだった。
床も壁も天井も、歩く場所全てが硬い金属やへこみ一つないコンクリートでできていて、時々部屋の中が見えるガラス張りの場所や大きな液晶のある部屋があった。
それらを不思議がり、目を輝かせながらAは未来の自分の後を歩いた。
通路の突き当りにはエレベーターがあった。
ボタンで呼び出せば、すぐに扉は開き、乗り込むとまたすぐに扉は閉まった。
開閉のときに、いくつもの硬い鍵が動く音がする。
上の階へ向かいながら、これは伝えておかないと、とFAが話し始めた。
FA「これから研究室をまとめている階に行くんだけど、気をつけてね。電気がついてないから結構暗いし、それに、時々あの階で迷子になった人が帰ってこないなんて耳にするような場所だから。」
ふーん、と、聞いた話は半分程度右から左へ流しつつ、Aは話にそれらしく相槌を打った。
エレベーターが止まり、扉が開く。
扉の枠の先には話で聞いた通りの真っ暗な世界が広がっていた。
人の気配はなく、誰も居なそうだった。
エレベーターから二人が降り、扉が閉まると、より一層辺りは暗くなる。
まるで夜の森だ。
FA「じゃあ、僕についてきてね。」
と、少し歩いたところでFAが言いながら振り返ると、そこにはすでにAの姿はなかった。
FA「あちゃあ…」
静かなフロアに、FAの声だけが響いた。
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明留くん@UZI!!(プロフ) - https://uranai.nosv.org/u.php/novel/asuneko4/できました!!多分5ページ目にあると思います。ありがとうございました!! (2022年12月9日 18時) (レス) id: eb88482d35 (このIDを非表示/違反報告)
【ふせん】 - 明留くん@UZI!!さん» コメントありがとうございます。全然大丈夫ですよ!完成楽しみにしてますね!! (2022年12月9日 13時) (レス) id: bfe7a7ad56 (このIDを非表示/違反報告)
明留くん@UZI!!(プロフ) - 失礼します、だいぶ前にもコメントした明です!!実はこの小説の夢主君がめっちゃ好きなので描いてみたいんですけど・・・ダメですかね(? もしかしたら投稿するかも知れないです!! (2022年12月7日 17時) (レス) id: eb88482d35 (このIDを非表示/違反報告)
【ふせん】 - 偉大なるベンザ様さん» !? わかります(o^―^o) (2022年8月30日 19時) (レス) id: bfe7a7ad56 (このIDを非表示/違反報告)
偉大なるベンザ様(プロフ) - FTom尊いなこれhshsしたい (2022年8月30日 18時) (レス) @page23 id: 05631b7c6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:【ふせん】 | 作成日時:2021年10月16日 18時