★もう一人 ページ8
レイside
僕の出身国を伝えた途端、キラ様の様子が可笑しくなった。
まだ、自分の出身国を伝えない方がよかったかと、反省する。
黒の国──この魔法界で最も危険とされている国。
影で魔界。というところと繋がっているという噂もあったりする。
いろいろな悪魔が街をうろついていたりするから、そんな噂もたつけど。
『レイ!』
頭の中に響く声。"彼"の声だ。
彼。というのは"レン"。レンはもう一人の僕。と言っても過言ではない。
『あの女。赤の国の出身だったな。』
「うん。そうみたいだよ?」
僕は後ろの二人に聞かれないよう、声を小さくしてレンに返事をする。
『あの女。赤の国の"王族"の気配がする。
みたところ、魔法は召還魔法だ。珍しい魔法を使うもんだな。
魔力も半端無いくらい強い。』
と、レンは僕にキラ様の(分析した)ことを教えてくれた。
ただ、驚いたのはキラ様が赤の国の王族だったということ。
今の赤の国をおさめているのはサヤ様、という女王様だったはず。
そしてサヤ様には兄妹はいない。
(どういうことだろう?)
『あのお姫様の両親を─黒の国が殺した。』
レンは僕が考えているところにそんな話をぶちこんできた。
「えぇ!?」
思いきり声が漏れる。
案の定、二人は不思議そうな顔をして、
「レイくんどうしたの?」
「どうした?」
と言ってくれた。でも、さっきのキラ様の反応···。
僕がキラ様の両親を殺した国の人間だったから、どう対応したらいいのかわからなくなったのかもしれない。
もしくは憎まれているかもしれない。
そうしたら、僕はこの二人といない方がいいのやもしれないですね。
「···あ、あの。」
「ん?レイくんどうしたの?」
「······せっかくここまで連れてきてくれたのにすみません。僕はここでおいとまさせて頂きます。」
「えぇ!!ど、どうして急に!?」
突然の出来事に驚くキラ様。ごめんなさい。
本当は僕といたくは無いですよね?
すみません。
そう心のなかで、謝罪と帰る理由を考えていると、すうっと意識が遠退いていく感覚が。
「!?」
(レンが表へ出る─!)
どうして急に!?
そう思ったときにはもうレンが
「そこの、キラとやら。おめえ、赤の国の王族だろ。」
☆
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山形みるく(プロフ) - エリカさん» 私も大好きーっ! (2020年8月31日 17時) (レス) id: 43416ff750 (このIDを非表示/違反報告)
エリカ - 山形みるくさん» みるちゃん大好き (2020年8月30日 23時) (レス) id: 4b8c4006dd (このIDを非表示/違反報告)
ユキカ(プロフ) - あんなつ♪さん» パチパチパチ☆←拍手の音 (2020年8月30日 10時) (レス) id: bba7686eb9 (このIDを非表示/違反報告)
あんなつ♪(プロフ) - ユキカさん» やりぃっ!( ☆∀☆)めっちゃ嬉しいw (2020年8月30日 10時) (レス) id: 2efed111d7 (このIDを非表示/違反報告)
ユキカ(プロフ) - あんなつ♪さん» あ!そうそう!クンツァイトって宝石からとった名前なんだよ♪あんなつ、お見事っ! (2020年8月30日 10時) (レス) id: bba7686eb9 (このIDを非表示/違反報告)
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