らくだい魔女と星雲の雫

★お嬢さん ページ4

？side


　薄暗く、ジメジメとする道。ここは青の国の東の森。

　とても入り組んでいて、うっかりすると迷子になりそうだ。


「………どうしよ…」


　ポツリと聞こえた声。噂をすれば迷子が出たみたいですね。

　そう思い、僕は声のした方へと足を向ける。


「大丈夫ですか？」

「きゃあああああ！！！」


　声をかけたものの、驚かれてしまい、声をかけた相手はその場で飛び上がった。

　と、思いきやそのまま後ろを振り向いた。


(わぁ···)


　後ろを振り向いた少女は息を飲むほど綺麗な方でした。

　ほんのりと薄い、ハチミツ色の髪を緩く肩にかけ、黄金(こがね)色の瞳には大粒の涙。

　肌は陶器のように白くなめらかで、どこをとっても綺麗に写る。そんなお嬢さんです。


「驚かせてしまい大変申し訳ありません。お怪我はございませんか？」

「あっ……はい……」




「あれっ？」


「？」


　地面に手をあてて、うーん。と力を入れて立ち上がろうとするお嬢さん。

　どうやら···


「腰抜けたみたい…ですね」


　すると、お嬢さんは頭に手を当てて、


「あはは……ごめんなさい…」


　と、しょんぼり。なんだかほほえましくて笑ってしまいそう···。


「キラ！」


　突如道にこだます声。僕とお嬢さんが後ろを振り向く。

　すると、スラリと長い影が、こちらにむかって猛ダッシュをしている。

　このお嬢さんの知り合いでしょうか？

　そう思い、お嬢さんを見つめた。案の定、お嬢さんは目を輝かせて、その影を見つめ、


「カイト！？」


　そう答える。

　見えてきた男の子は──···これまたカッコいい殿方でした。

☆仲良きことは美しきかな……だけど？→←☆道での出会い

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す