らくだい魔女と星雲の雫 (ページ21)

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☆誇りページ21

キラside

　轟音が響いたと思ったら、レンくんが兵隊さん達を強く睨んでいた。

　そして、腰を抜かした兵隊さんと、半泣きしている女性。

　兵隊さんの頬には、火傷が出来ていた。

　レンくんが、シュウッと熱気を出す拳を握り締めている。

　まさか！

「レンくん！手を出したらダメだよっ！」

「はぁ！？コイツ、悪くねー奴殴ろうとしてたんだぞっ」

「そうだけどっ」

　あたしは、レンくんに語りかけた。

「確かに、兵隊さん達もおかしい。そして、女性を守ってあげたレンくんも立派だと思う」

　レンくんは立派だよ。

　でもね。

「すぐ手を出したらダメ。感情に身を任せて動くのは、レンくんの悪い所だよ。考えて動かなきゃ」

「…」

「でも、守ろうとした所はカッコいいと思うよ。……………そして、兵隊さん？」

　あたしは、クルリと兵隊さんの方を振り向く。

　微かに、ビクッと肩を震わせていた。

「あなた、何様のつもりなのかな？」

　キッとあたしは、兵隊さんを睨んだ。

　自分でも分かるくらいの黒いオーラを放つあたし。

　レンくんまでもが、目を見開いている。

「レンくんの言うとおり……何が気高くよ。あなた達……気高くなんかない。」

　本当に気高いのなら、その行動は恥ずかしくないの？

「例え、女王の命令であろうと。本当に気高いのなら、人を傷つけたりはしない。

　あなた達は、銀の国のれっきとした兵隊さん達よ。

　そのことをよく考えて。

　誇りを持って。

　今、ここで人を傷つけるのが正しい判断？

　意見を言うことが悪いこと？

　注意されたから傷つけるの？

　そんなのおかしいわ。

　あなた達が、本当に良い国の兵隊さんでありたいのなら。

　今こんなことをしている場合じゃない。

　星雲の雫など、国には必要ない。

　空を見てみて。

　ほら、綺麗でしょう？

　空気も澄んでいて、人も笑顔。

　今は平和で、みんな幸せなの。

　だから、よく考えて」

　あたしが言い終わると、兵隊さん達は涙を流していた。

　先ほど感じた邪気は消えて、瞳が美しかった。

「私達は……女王が何を考えているのか分からない……女王は、操られている……悪の者に…」

　すると、フウカが立ち上がって、街に広く渡るような大きな声で言った。

「あたしは、銀の国の王女、フウカ！

　あたしが何とかします！

　国民の皆さん、安心してください！

　この国は、あたしが守る！！」