らくだい魔女と終わりの魔法 (ページ31)

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３１．蘇った王女、フウカページ31

フウカside

あたしの大好きで、大切な人達がなぜかここにいて。

みんな、一斉に目を見開いた。

中でも、大親友だったカリンは……大泣きしていて。

「本当に……フウカちゃんなのっ？」

あたしに、駆け寄ってきてくれた。

「みんな……消えちゃってゴメンね…」

あたしは、みんなに目を合わせてそう言った。

凄く……複雑な気持ちだった。

大好きなみんなに会えた。

嬉しいことだけど、素直に喜べない。

喜ぶなんて、できない。

だって、ね。

一番、話したかった人には……会えないんだから…。

あたしは、静かに眠る、その人……チトセを見つめた。

傷だらけの頬が、痛々しくて。

会いたかった。やっと会えた。

生き返れたけど……あなたと話せないなんて。

こんなの……生き返れたけど……嬉しくない…。

「嬉しくないよ……チトセ……。」

涙が、チトセの頬に当たった。

「ずっと、生き返りたかった……でも、こんなの嬉しくないよ。余計なお世話だよっ！

　こんなの……嫌だよ、話したいのに……なんで喋ってくれないの！？

　ねぇ…チトセ……聞こえてるでしょ？話したいよ…チトセっ！！」

誰一人、話さなかった。

チトセは、目を開かなかった。

嗚呼、神様はなんでこんなに意地悪なんだろう。

こんなのおかしいじゃん。

なんで…チトセが死なないといけないの…。

そう思い、あたしは悔しくてたまらなかった。

……その時だった。

バサァッ

翼が羽ばたくような音が、空から聞こえてきたのだ。

「何…？」

「なっ、あれは──」

キースが目を見開いた。

あたしもつられて、上を見上げると…

「なんで…」

たくさんの、数え切れないほどの悪魔達が、空から舞い降りてきた。

「どうしてよっ！なんで悪魔がいるのよっ」

リリカがヒステリックに叫ぶ。

そんなの、あたしも分からない。

キースが、「まさか」と言い始めた。

「青の城の王子……その子が、誰も知らないはずの終わりの魔法を唱えたから…。やっと呪文が分かって、魔法を狙いに来たんだ……このままじゃ、強力な悪魔が復活して、『魔界大戦』の恐れがある…」

「そんなっ！じゃあ、結界をはって、侵入を防ごうよ！」

あたしが慌てて言うと、カリンが首を横に振った。

「無理よぉ……世界中の上空に巨大な結界をはるなんて」

不可能、といわんばかりに首を振るカリン。

……すると、あたしの中で、ナイスアイデアがひらめいた。