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決断 ページ20

照side


病室に入ると、みんながこちらを向いた。

それぞれの目が赤く、泣いていたことがわかった。


俺の手前、今も涙を我慢しているのだろう、

その気持ちに、枯れたはずの水が溢れてきそうになる。しかし、今は泣くべきではない。


気持ちをグッと抑え、俺は自分のなかで決めたことを話した。


照) ふっかの臓器を提供する。


その言葉をみんな覚悟していたのかもしれない。

誰も驚かなかったから。


ただ、大粒の涙がそれぞれの目から静かにこぼれ始めた。

その波が落ち着いた頃、阿部が泣きながら口を開いた。


阿) 照っ、理由を教えて?

照) …うん。まず...あいつ、カッコつけたがりだから最期も、ただ死ぬんじゃなくて誰かの命を助けてから死んだ方が嬉しいのかなぁと思って、

ラウ)それ、照くんの、気持ちは?ふっかさん、臓器提供したら...死んじゃうんだよ?それでもいいの?


ラウールが俺の言葉をさえぎり、怒ったように言う。でも、その大きな目からは涙が滝のように流れていた。


照)理由はもう1つある。俺はふっかに...死んで欲しくないけど、ふっかのいない世界で生きたくもない。このまま同じような治療を続けて、ふっかが助からないのならあいつの一部だけでも、俺たちと同じ世界で生きてほしい。Snow Manの活躍を見守ってほしい。ワガママかな?


その俺の問いかけに一番最初に答えてくれたのは舘さんだった。



宮)っいや、いいと..思う。

照) 舘さん…。


あとに続くように他のメンバーも答えてくれる。


渡)お前だけじなゃく、俺もふっかのいない世界は嫌だ。

照) しょっぴー…。

向)...俺も。

目)俺も。

阿)俺も。

佐)俺も。

ラウ) ………僕も。

照) みんな、ありがとう。


そうして結論がまとまり、事務所にも連絡してしんみりとした空気になっていると、


コンコンコン


病室の扉が開いて、海野先生が入ってきた。



海)失礼します。これからの予定をお話させてもよろしいですか。

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作者名:聖彩 | 作成日時:2021年12月26日 9時

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