どうか ページ15
照side
目を開くと家とは違う天井だった。
ここはどこだ、と思い起き上がろうとすると腹に鋭い痛みがはしり、すべてを思い出す。
ふっか、ふっかはどこだ。
痛むお腹を押さえながら点滴を腕から引き抜き、個室を抜け出した。
廊下は暗く、まだ夜中のようだ。
光のある方へ歩いていくと、ナースステーションがあった。
ここで抜け出していることがバレたら連れ戻されそうな気がしたので身を隠してナースステーションの横にある非常階段への扉を開けた。
誰も追って来なかった。よかった、バレなかったみたいだ。
できるだけ急いで階段を下り、集中治療室のある一階へ行くと病室の階よりも明かりがたくさんついていた。
さっきよりも注意して隠れながら集中治療室の前へ行くと分厚いガラスの向こうに…ふっかがいた。
たくさんの管や機械に繋がれ、ところどころ赤く染まっている包帯が痛々しい。
心電図と機械の作動音だけがふっかが生きていることを証明している。
眠っているだけのような穏やかな表情なのにピクリとも動かない。
世界で1番大好きな人のそんな姿を見ていられなかった。
10mも離れていないのに触れ合うこともできず、声もかけられないなんて。
涙が溢れてきた。
ふっか、ふっか、ふっか、俺を置いてくなよ。
いつまでもそばにいてお前を愛すから、俺から離れるな。
どうか俺を1人にしないでくれ!
そう願い、俺は倒れた。
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作者名:聖彩 | 作成日時:2021年12月26日 9時