大きくなる存在 ページ26
*
「じゃあ」
「うん。元気で…」
あたしとキュヒョンは、ゆっくりな朝ごはんを済ませると
最寄り駅で別れることにした。
「引っ越しの日…見送りには来なくていいから…」
「ん…」
「1年後、だからね」
「………約束は…」
「待ってるから」
「キュヒョナ、でもね」
「今は、言わないで」
「え…」
「今は…このまま、行かせてくれないかな。
もし今、ヌナから否定的な言葉聞いたら俺、頑張れない」
寂しそうな顔でそう言われたら、何も言えなくなった。
「わかった……」
「じゃあ、ヌナ。俺行くね」
「ん。キュヒョナ、頑張って」
最後は唇をキュッと引き締めて。
小さく頷いたキュヒョンが、人ごみの中に消えて行くのをずっと見ていた。
キュヒョンは一度も振り返らなかった。
もしも振り返ってたら…
涙でぐしゃぐしゃなあたしを見て、彼はどうしただろう。
すぐにでも駆け戻って、抱きしめて、キスしてくれたかな。
振り返らなくてよかった。
「キュヒョナ……」
止めどなく流れる涙を拭いもせず、ただ立ち尽くすあたしを
周りの人が心配そうに遠巻きに見ていくけど。
気付いてしまった心を持て余して、あたしはただ泣くことしか出来なかった。
その瞬間から始まった、1年後へのカウントダウン。
*
「オンニ、いる？」
「いない」
「いるじゃん。今日だよ。キュヒョナが行っちゃうよ」
「………」
「いいの？最後に会っとかなくて」
「いいんだよ」
「オンニ…」
ベッドに突っ伏したまま、時間が過ぎるのをただやり過ごす。
時を刻む時計の音がうるさくて、電池を抜いた。
そんな風に、ただ時を見送れば、きっそのうちキュヒョンの事なんて
忘れるって。
そう思ってた。
けど…
それは、到底無理なことだって、キュヒョンがいなくなってすぐに気づかされた。
なぜって…
TVの中から、溢れるがごとくに流れてくるキュヒョンの歌や映像。
加入して間も無く、歌番組で1位を獲得した彼らは
瞬く間にスターダムに上り詰めて。
目を逸らそうとしても、どこに行っても
雑誌や広告でキュヒョンを目にしてしまう。
日に日に大きくなるキュヒョンの存在が、あたしを苦しめていた。
もう、ここにいてはダメ。
そう思い始めていた頃。
季節はもうすぐ、春を迎えようとしていた。
*
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さくらこ(プロフ) - puuさん» puuさん、こちらにもコメント頂いてたのに気付くの遅くてごめんなさい(>_<)エロギュ、たのしんでもらえてよかったです。はっ！！リーマンﾄﾞﾝﾍ！！か、完結目指して頑張ります(~_~;) (2014年12月25日 8時) (
レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 俺の初めてヌナにあげるがキュンっときてたくさんたくさんエロギュ楽しみました♪ギュの行動いちいち可愛くて大好きです(〃∀〃)あっ！もちろんリーマンドンへも好きですよ(笑) (2014年11月29日 9時) (レス) id: a390daf430 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - LaLaさん» LaLaさん、コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )ﾉ最高だなんて、嬉しいお言葉(>_<)これからもよろしくお願いします！ (2014年9月23日 6時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
LaLa(プロフ) - ぎゅ。最高です(＞ω<)/。・゜゜・ (2014年9月17日 19時) (携帯から) (レス) id: 1c41261f79 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ななさん» ななさんコメントありがとうございます( ´ ▽ ` )ﾉギュ、かわいかったですか？よかった〜^^;かわいい感じを出そうとすると、ﾄﾞﾝﾍみたいになっちゃいそうなんですけど…次……あまり期待は出来ないと思いますが…^^; (2014年9月17日 0時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらこ
| 作者ホームページ：http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時：2013年8月28日 21時
