前日 ページ1
.
「卒業後って、どんなに仲が良かった同級生でも、会わなくなるもんなんだって」
伊吹「ふぅん…」
場所は高校三年生の教室。時間は放課後。
小学生のころから一緒にいることが多い伊吹といつも通りしゃべっていた。
「ふぅんて…。俺には関係ない、みたいな感じですねぇ？」
伊吹「かんけーないでしょ。なんだかんだで、僕とAって仲いいまんまじゃん？」
「それとこれとは別っていうか…」
伊吹「大丈夫だって。いつでも連絡できるもんだってあるし！」
机の上に置いていたスマホがバイブする。
チラ見すると、伊吹からのメッセージの通知が表示されていた。
「いやまぁ…。たしかにそうだけどさぁ」
伊吹「え、なに？僕に会えなくなるから寂しいの？」
「え、しぬ？」
伊吹「やめてｗ」
そんな会話の中で、ふと窓の外に目を向ける。
あれ、いつの間に雨降りだしてるし。
折り畳みもってきてよかったぁ…。
「ねー伊吹」
伊吹「なにー？」
「卒業して会わなくなっても、LINEしていい？」
伊吹「なにいきなり…？全然いいけど」
本降りになる前に帰ろうぜー、と教室を出ていく伊吹のあとを追うように学校を出た。
二人並んで三年間歩いた道をたどる。
「明日は晴れるかなー」
伊吹「雨の中で卒業式はなんか嫌だよねー」
「ほんとねー」
傘のぶんだけ距離があいていて、少し間延びした声の会話が続く。
足首にはねる雨水に眉をひそめつつ足元を見下ろすと、電柱のそばに花が咲いているのを見つけた。
「ねー伊吹、あの花なんだろー」
伊吹「んー？…ミヤコワスレかなー？」
「ふーん…。よく知ってるねー」
伊吹「どや。……あ、じゃあまた明日ねー」
分かれ道に差し掛かると、伊吹はそう言って道を曲がっていった。
「また明日ねー」
また明日。
この言葉とも今日でお別れなんだなって思うと、ちょっと寂しいかもしれない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 130人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めぞぴあの(プロフ) - 今からでも更新待って大丈夫ですか…？まじでこのシリーズ好きです！続き見たいなーって… (1月23日 7時) (
レス) @page9 id: 61294795bd (このIDを非表示/違反報告)
Alice@夜未(プロフ) - もちづき@タピオカ中毒さん» ありがとううううう(´;ω;｀) (2018年11月20日 22時) (レス) id: fcdf5a8177 (このIDを非表示/違反報告)
もちづき@タピオカ中毒(プロフ) - 大丈夫！受験頑張れ！ずっと待ってるから…！ (2018年11月14日 0時) (レス) id: 2e77220214 (このIDを非表示/違反報告)
Alice@夜未(プロフ) - 星空舞子@ラさん» ほんっとに更新できなくてごめんなさい！！また更新したら読んでくれると嬉しいですっっっ！！！ (2018年11月13日 23時) (レス) id: fcdf5a8177 (このIDを非表示/違反報告)
Alice@夜未(プロフ) - もちづき@タピオカ中毒さん» 全然更新できなくてごめんねぇええ！！受験終わったらもう毎日更新する勢いで書くから待っててくれると嬉しいよ…！ (2018年11月13日 23時) (レス) id: fcdf5a8177 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Alice@夜未 | 作成日時：2018年10月7日 17時
