＊家。(特別編その三) ページ28
「二階堂さんは他に
どんな本を読んでいるのですか？」
「気分によって変わる。」
「そうなんですか‥‥。
私から見て、よく復讐ものを
読んでいるように思えます。
好きなんですか？」
「‥‥嫌いではない。」
「へえ‥‥。
着きました。ここです。」
目の前には豪邸。
「豪邸だと思いました？
‥その顔は図星ですね。
周りの方たちはよく
"住みたい"などと言っています。
まあ、私は別にこんな豪邸に
住みたくはないですけれども。」
そう言って、重そうな門を開けてから
さらに重そうなドアを開ける。
「A様、
お帰りになられたのですね。
‥‥その方は？」
服装からしてメイドだろうか、
メイドらしき人がいた。
「私の同じクラスの方です。
それと書庫、使います。」
「はい。分かりました。
旦那様にもそう伝えておきます。」
一礼をしてメイドさんは
去っていった。
「では、行きましょう。」
それだけ言って階段を上っていく。
階段を上っていき、
そのまま真っ直ぐの所に
"書庫"と書かれたドアを開ける。
「ここには多くの本があります。
良い本を見つけたら何でも貸します。」
中に入る。
「‥‥！？」
まあ簡単に言えば、
本当に多くの本があったから
言葉を失った。
「何かあればここに。
今から私も本を読みます。」
「分かった。」
「あ、そうです。
ちなみに自分の家に誰かをあげたのって
無いんです。
だから二階堂さんが一人目ですね。」
「一人目‥‥。」
「はい、一人目です。
だから、特別に何冊でも貸します。」
そう微笑んだ。
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作者名：プリン | 作成日時：2018年3月14日 22時
