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「なんだよ！」
「何で自分に問題があるのかなとか、考えないわけ？」
「…思、ったけど、」
「けど、なによ。分かんなかったって？呆れる」
「…なんでお前がキレてんだよ」なんて言うから、せっかく止めた拳でそのまま鼻を小突いてやった。
「キスとセッ クスだけが愛情表現だと思うな」
自分が彼女の立場だったら、なんて現実には有り得ないけれど想像して腹が立って、そうきっと、これは同情。
「次そんなこと言ったら、止めないでそのまま飛ばすからね、これ」
グーにした手を見せつけてから離す。
だいたい、泊まりはダメだけど家には来ていいって、なんなの。そう思いつつ来てしまう私も私だけど。
『ねぇなんか帰らせようとしてない？』
いつものように泊まる気で来ていた私の荷物を勝手にまとめ始めた翔太にそう言ったいつかの夜、『もう泊まりはダメなの』となんだか嬉しそうにしているから、あぁそっかそうなのか、それなのに家に来るのはいいのね、と半ば呆れたように思ったのを覚えている。
『…付き合ったんだ？』
サークルが一緒の、可鈴ちゃん。
小動物みたいな、小柄で可愛い子。
飲み会の時、取り分けてくれたサラダが綺麗だった事に好感を持ち、連絡先を交換したのだと彼は言った。
そんな事で、とは思ったけど言わなくても知ってる。
だって、見てたから。
これ、好きになるな、と彼よりも先に分かってしまうくらいには、彼の事を良く分かっていると自負はしている。
見ていて焦れったくなるような両片思いは卒業間近まで続いて、ヘタレな彼には呆れたし苦労もしたけど。
“酔ったかも”なんて恥ずかしそうに可愛く笑いながら瞳を潤ます彼女に、あぁこういう子がタイプなのね、と自嘲するように思った。
「…おまえ、なんかすげぇな」
「はぁ？」
「やっぱ最高だわ」
「関心してどうすんのよ！」
今は呑気に空いたグラスにお酒を注ぐ翔太に、本当に分かってんのかってもう一発飛ばそうか迷ったけど、さっきよりいくらか表情が軽くなった気がしてまぁいいか、と思った。
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バンビ(プロフ) - 蜜柑さん» 蜜柑様、コメントありがとうございます。このように感想をいただける事が私も幸せです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 (2022年8月18日 12時) (
レス) id: c42b9ee31d (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 完結まで拝読させていただきました。私は渡辺くんを推しているので、主人公に感情移入しながら作品を読み進めていました。書かれている悪友が本当にそのままで良かったです。バンビさんの素敵な作品に巡り合えてとても幸せです。ありがとうございました。 (2022年8月18日 8時) (レス) @page28 id: 26da2e8d54 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ - かなさん» かな様、コメントありがとうございます。タイトルで気付いてくださるのが嬉しいです…。ご期待に添えるよう頑張ります…！ (2022年8月14日 14時) (レス) id: 518496b2f9 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - タイトル見て絶対バンビさんやと思ったらバンビさんで一気読みしました！なべふかコンビはどちらもよくてどっちとくっつくのかわくわくが止まらないです！続き楽しみにしてます☺︎ (2022年8月14日 8時) (レス) @page16 id: bb257ea4af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バンビ
| 作成日時：2022年8月7日 11時
