Dear my friend (ページ1)

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僕の、友達･･･ページ1

「テヒョナ‼」
「まってよジミナ‼」
僕たちは友達だった。いや、大親友だったと言ってもいい。僕たちは毎日のように遊んでいた。
けれど･･･

そうあの日。
僕たちの仲が壊れた日。

中学一年生の夏だ。
放課後、いつものようにジミナの家に遊びに行った。いつものように遊んでいると、ジミナが
「僕、もうすぐ塾に入ることになったんだ。」
「ふうん。」
「なんだよふ～んって、僕は嫌だよ、勉強なんかしたくないのにさ。」
僕はこの言葉にカチンときてしまった。僕の家にはDV親父がいて、いつも殴られる、塾に行くなんて夢のまた夢だ。
ジミナはなんだよ、自分は恵まれてるくせに･･･
僕ぐらいの年になるとおとずれる思春期ってやつで、僕は知らない間に自分とジミナを比べていた。
「いいよな、ジミナは恵まれててさ、それなのに俺は･･･」
「えっテヒョア？」
「クソっ」
僕は部屋から飛び出した。ジミナの家を出て、泣きながら歩いた。
ジミナと歩いていたときは輝いて見えた景色も、今はモノクロで、薄汚く見える。
次の日、学校で、ジミナは僕に謝りに来た。でも僕はそれを無視し続けた。
それを何回かすると、ジミナも話しかけて来なくなった。
僕、意地を張っていたのかな。早く仲直りすればよかった･･･
今の僕ならそう思うけど、昔の僕は、それほどジミナの言葉が気に食わなかったのだろう。

それから何年かたって、僕たちは三年生になった。
中三の終わり頃、風の噂で、ジミナは県外の私立高校に行くことが決まったらしい、と聞いた。
僕とジミナは連絡先も交換していなかったので、二度と会えなくなると思い、卒業式が終わった後、ジミナの家に行ってみようと思った。
卒業式が終わった後･･･
やっぱり心の準備が必要だったから、少しグラフィティをした。ジミナとの仲が悪くなってからは、毎日のようにグラフィティをしている。
そして、勇気を出してジミナの家に行った。
でも、どことなく、なんとなく、ガランとしている。車もない。
僕がソワソワしながら家の周辺をウロウロしていると、ジミナの近所の人みたいなおばさんが出てきた。
「あなた、ジミンくんたちを探しているの？」
「あ、はい。」
「残念ね、ジミンくんたちはついさっき引っ越していったわよ」
僕の体中に、稲妻が走った感覚がした。