【d!】社畜と異世界人 (ページ29)

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ショッピングモールで命がけの食事を済ませて、近所のスーパーに寄って明日の分の食糧を買いにいく。

夜は正直、食べられないし、ご飯も見たくもない。
ゾムさんは人に食べさせている割には、自分の分は適量だったので夜はお腹を空かせるのではないかと思い、簡単に食べられるものを買っておく。

レジのおばさんに「この中の誰が彼氏なの？やっぱり前も一緒に来てた金髪の子？」と揶揄われた。
「違いますから！」と一蹴してレジ袋に買ったものを詰めた。

スーパーでの買い物で更に荷物は増えたが、3人にまたもや買い物袋を取られてしまい、手持ち無沙汰になってしまった。

「私も少しは持ちますよ」

ut「ええのええの！Aちゃんは手ぶらで楽しとって」

鬱さんに断られてしまい、そのまま家に帰ることになった。

家に帰ると、買った荷物を片付ける。

片付けが終わるとゾムさんは「腹減ったわ！」と言い冷蔵庫の中を漁り出した。
その時私たち3人の顔はやつれていたと思う。

ゾムさんが夕飯を終わらせ、お風呂に向かった。
今はコネシマさんと鬱さんがリビングで寛いでいる。

「コネシマさん、ちょっといいですか」

kn「ん、なんや？」

「これあげます」と言い、袋に入った物をコネシマさんに手渡す。
中身はもちろん先ほど本屋で買った本だ。

kn「中見てもええ？」

「どうぞ」と言うとコネシマさんは不思議そうに袋を開けて本を取り出す。

kn「これ、本屋で読んでたやつやん。A、わざわざ買ってくれたんか」

「はい、あと何冊かコネシマさんが好きそうな本を選びました。良かったら読んでください」

コネシマさんは「ありがとうな、大事にするわ」と言い、私の頭をくしゃりと撫でた。

気恥しいけれど、悪い気はしなかった。