Euterpe (ページ9)

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なんだかこっちが緊張する。

会場大きくない？
女の子めっちゃいるし。

スンチョルが何とかして席を用意してくれたらしい。
リーダーの権力？
俺の舞台見て欲しいから、とその日は公演2日目。
その時は意味が分からなかった。

2階の前の方の席で全てが見渡せる位置。

1人でドキドキしてしばらく待っていたら
VCRが始まって
空気が揺れるような歓声と共に13人が現れた。

『うわぁ...』

すごいよ。カッコいい。

眩しい光の中で歌って踊る彼らは何よりも輝いていて
自分でも何故だか分からないけど、泣いてた。

13人いてもスンチョルがすぐに見つけられた。
それは私の知らない彼だ。

ーーーーー

公演の中盤にはスンチョルのソロがあった。
今日この日に招待してくれたのはきっとこのためだ。

　俺の成功と幸せはお前のものではない
　そのクソみたいな現実が末長く続けばいい
　本当はいや長い間死んでいることを願っている
　お前の関心のおかげで頂上に上がったら
　傑作の終わりになるだろう

きっとスンチョルは私の知らない物と
ずっと戦ってきたんだ。

ーーーーー

可愛い姿も、クールな姿も
そして何より常にファンの方を見て楽しそうにしている彼らを見て
こっちも嬉しくなる。

目の前の花道をメンバー達が次々と通っていく中
スンチョルがキョロキョロと客席を見回し、
私に気付いたのかこちらに手を振った。

SC「( A )」

そう口が動いていたと思う。
向こうから顔なんて見えるんだ。

そんな満面の笑みでお手振りするから
私も笑いながら手を振り返した。

誰が彼らをただのアイドルと呼ぶんだろう。

プロのアーティストだよ。

私は彼らの大ファンになった。