Euterpe (ページ8)

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それから今までの彼の話を聞いた。
恥ずかしいと言いながら

転校してから本格的にレッスン漬けになったこと
デビューするまでにとても長い時間がかかったこと
ずっとメンバーと共同生活をしてきたこと

全てを我慢してS.COUPSになることを選んだ彼は
本当にカッコいいと思った。

『頑張ったね』

他に相応しい言葉が見つからなかった。

SC「今はメンバーが大事だし、ファンのみんなが大事だし、人に恵まれたって思ってる。
運が良かったんだよ」

そう言って彼は目を細めて照れ笑いをした。
そして連絡できなくなってごめんとまた謝った。

スンチョルが引越してからしばらくは、お互いに連絡を取り合っていた。
それからなんとなく間隔が空き、返事が遅くなり、来なくなり、疎遠になってしまった。

『でも会えて良かったよ。声かけてくれてありがとう』

ただ懐かしい友達に会えたのが嬉しかった。

SC「Aは？仕事？」

『そうだよ。大学は日本に留学して、今の会社入るのにこっちに戻ってきたの。」

SC「そっか、日本語喋れたよね？」

『うん、お母さん日本人だからね』

幼い頃から2ヶ国語で育った私に
日本語の先生になって欲しいと言われ快諾した。

トップアイドルは歌やダンスだけじゃなくて言葉も覚えるなんて、そんな時間あるのかな？

会社で仕事なんてすごいなー俺にはきっと出来ないよーなんて呟くスンチョル。
いやいやあんたの方が100000倍すごいのに、何言ってるんだか。

『あ！そうそう。私ファンクラブ入ろうと思って！』

SC「俺らの？」

『うん。次コンサートとかあるなら、見てみたいし』

SC「・・・あるよ？」

『いつ？』

SC「3ヶ月後」