come into flower～Eustoma～vol.3 (ページ10)

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心が揺れるページ10

Taecyeon side

リハが始まると、

Aさんは

セットの道をゆっくり歩きながら

花を摘んでいた。

黄色のワンピースが

柔らかく動いて綺麗。

側にきたAさんは

しっかりと俺と目を合わせて、

次は花を見ながら

スーっと

花を俺に差し出して

また目が合う。

茶色掛かった瞳に吸い込まれそう・・・

手が伸びて

Aさんの手と花を掴んで

花の匂いを嗅いだ。

ん？これ・・・こんな匂い？(笑)

Aさんは、こんな匂いと知って

俺に嗅がせてる？(笑)

想像と違う匂いに、自然と笑いが出た。

Aさんも

クシャって笑って、

「え？本当に？」って

目の前にある花を嗅ぎにきた。

スンと

Aさんが花を吸い込むと

次は

目がなくなるぐらいの笑顔で笑う。

「うわ・・・本当だ・・(笑)これは、ちょっと・・(笑)」

その雰囲気が

ナチュラルすぎる。

「カットーー！いい！2人ともいい、それで行きましょう！」

監督のカットに、

現実に戻って

パッとAさんの手を離した。

いやいや、メンバーの彼女

メンバーの彼女。(笑)

ジュノの彼女だから。(笑)

Aさんは

その間

何度も何度も自分の鼻に花を持って行って、

クシャクシャに笑って、

周りのスタッフにも匂いを嗅がせて

笑いを巻き込んでいく。

ああ、可愛い。

って、あっぶな・・・(笑)

心揺れた気持ちを一旦落ち着ける。

一気に和やかな雰囲気になるスタジオ。

ジュノが自慢したくなる彼女ってのが、よくわかった。

「テギョンさん、お花の香り変えれるそうです(笑)変えます？(笑)」

「いや、そのままでいいよ、(笑)」

さっきまで

緊張がこっちまでビリビリ伝わってきてたのに

１回通しただけで、

もう溶け込んで

スタジオがAさん中心になってる。

「次はエッセンスのシーンのテスト行きます〜」

撮影はどんどん進んでいった。

・・・・

全ての撮影が終わると、

バンはマンションに走らせる予定だけど、

マネージャーヒョンがなかなか車を出さない。

「ヒョン、、これ、何待ち？」

「ああ、Aさん」

「え？・・・なんで？」

ヒョンの話だと、

ジュノの頼みだと。

「ほら、また忙しくなるから、それでだろ」

ああ、そう・・・。

今日はマンションに誰が居るんだ？

グループトークは、

あのMVの撮影以降、大きく動いてなくて

誰がマンションに居るのかは分からなかった。