come into flower～Eustoma～vol.3 (ページ8)

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ハモる声ページ8

最初カット。

大きな一本の木の下で、

テギョンさんは

木にもたれて、

私を待ってる。

畦道を裸足で歩き、

お花を摘んだ私は、

その花束にしたお花の香りを

テギョンさんに確認してもらうというのが

最初のカットだった。

全部のカットを頭でもイメージして、

黄色のワンピースに袖を通し、

準備が出来ると

私は

スリッパでスタジオに移動。

イネさんは

監督に挨拶とかで

先にスタジオに入ってた。

さっきも通り過ぎた

テギョンさんの控室を通ると、

突然、

扉が開いて

大きな人と見事にぶつかり、

相手の逞しい体と腕が当たって

「「わっ！！」」と

相手の声とハモり、

反動で

私は後ろによろける、、、

と、思ったら

腕を掴まれて転ぶことはなかったけど、

その相手はテギョンさんで、

「ああ・・・・あっぶな・・・びっくりした、、大丈夫？」

と、体勢を崩して顔を覗き込まれた。

動悸、

動悸、

動悸、、、

整ったテギョンさんの顔が目の前で・・

センターに分けられたフワリとした前髪が

片方の目に付きそう・・・

そして

腕はしっかりと握られたままで・・・

ぶわと

私は

背骨から熱が上がるのを感じる・・

「す、すいませんっ！！だ、大丈夫です・・・！」

離して、離して、離して・・・

足がすくみそうになる・・

「あ、あの、、、テギョンさんは、、」

「ん？俺？」

それで

やっと緩んだ

テギョンさんの手。

私も

ようやく

すくみそうな体を整えられる・・・

でも

まだ動悸が・・・・

「いや、私、ぶつかったから・・・怪我、してませんか、？」

びっくりした・・・・・

呼吸はあがってないけど

早い鼓動を落ち着けるために、

胸に手を置く・・・

「してないしてない(笑)これぐらい何ともないです(笑)」

白いシャツに

ダメージのデニムを合わせてるテギョンさんは、

平気だという風に

手をパタパタさせた。

「よ、良かったです・・・」

ひどく乱れた私。

手を胸に置いたまま

行き場を無くして、

テギョンさんから視線を外した。

「・・・今日は、よろしくお願いしますっ」

歯切れのいいテギョンさんの声が聞こえると、

ハッと我に変える。

「あっ、！こちらこそよろしくお願いします！！」

テギョンさんに視線を戻すと、

やんわりと笑って

「行きましょ」と

スタジオに足を向けておられた。

動悸、、

まだ落ち着かない・・・