come into flower～Eustoma～vol.3 (ページ7)

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マーガレットデイジーページ7

撮影の日。

イネさんと

スタジオに着くと、

セットの中は

美しい春の風景の道のようで、

大きな立派な一本の木と

その側にある数メートルの畦道の周りには、

野生の花かな・・・

黄色の野花が咲いていた。

スタジオの中は、

その風景から漂うような

お花のような森のような

そんなアロマオイルの匂い。

ブランドのイメージ通りの雰囲気に、

私の胸は弾んだ。

準備するスタッフは、

色んな国籍の人達がいて

まだセットを組み立てている途中で

私は、一人一人挨拶をしてから

控室に向かった。

少しだけ長めの廊下を歩くと、

テギョンさんの名前の紙が貼ってある

控室の前を通り過ぎた。

テギョンさんの名前を見ると、

胸がまたジンとする。

私は

足を止めて、

一息ついてからイネさんに確認した。

「テギョンさんに・・・挨拶しなくていいかな、？」

テギョンさんは、

ジュノの大切な仲間だから

家族みたいなものだから、

そして知り合いなのに

挨拶しないとか失礼だ。

ジュノの彼女としても、

きちんと在りたかった。

「テギョン君、ついてるかしら？確認してから知らせるね」

あ、そっか・・・

ジュノも忙しくなるって言ってたし

入りはギリギリかもだよね？

「うん、ありがとう」

ちょっとホッとして

また控室に足を向けた。

控室に入ると、

数名の外国人のスタッフ達と

化粧品の独特の香り、

ゆるいBGMが迎えてくれた。

スタッフさん達は、

気さくに笑顔で手をあげて、

歓迎してくれているようで

やっとホッとする。

「よろしくお願いします」

一礼して顔を上げると、

スタッフ達は

すぐに慌ただしく準備を始めた。

壁一面の鏡の前には、

明るい照明と沢山のメイク道具たち。

ポツンとある白いチェアに、

男性のスタッフがエスコートするよう

「どうぞ」と

私に向けてくれる。

そのとき、

壁一面の鏡の中には、

野花の花と同じ色した

黄色のロングキャミソールワンピースが見えた。

衣装はあれかな・・・

「あのドレスは、セットの中のお花と同じ色ですね」

この仕事、絶対やり遂げたたい。

私は

チェアに腰掛けると

もう一度、

入念に台本に目を通す。

「そうそう、素敵な黄色してるよね〜。マーガレットデイジーっていう、花らしいよ」

「マーガレットデイジーですか」

撮影の中で、

私は

その花を摘んで、

テギョンさんの顔に持っていく女性をする