come into flower～Eustoma～vol.3 (ページ16)

今日:16 hit、昨日:2 hit、合計:13,214 hit

No way out ページ16

Taecyone side

マネージャーヒョンがAさんを待っている間、

コールタクシーを呼ぶ。

マンションに帰るのは変わらないけど、

"一緒に"ってのは

色々と面倒なことになりそうで

正直避けたかった。

「俺、タクシー呼んだからそれでマンションに、」

「え？なんで」

「いや、なんか、」

ビジネスならいい。

だけど、これは違う気がする・・・

警告音が鳴った。

マネージャーヒョンは

しばらく俺の顔を見て

ため息をついてから言葉を発する。

「・・・分かった、気をつけて帰れよ」

意を決して

バンを降りようとしたら

マネージャーヒョンがAさんを見つけて、

降りるタイミングを逃して

結局

一緒にマンションに向かうことになった。

「よろしくお願いします！」

「はいはい〜」

普段着のAさんは、

撮影での鮮やかな美しさとは大差があって

今の着飾ってない服装は

またインパクトが強い。

「すみません、こんな事になって」

「気にしないで〜」

車の中を見回して、

Aさんは

俺を見つけると

ビクッとしてハッとして

今にも謝罪しそうだったから

阻止する。

「もう言わなくていいよ、その"すみません"(笑)」

「あ・・・じゃあ、お邪魔します」

軽く会釈して

前を向くAさん。

携帯を触り出したようだった。

ふと

マネージャーヒョンを見ると

俺に目配せをする。

はいはい・・・そうですよね〜

俺は

マネージャーヒョンの催促通り

携帯を閉じて

Aさんに話しかけた。

「あのさ、覚えてる？ライブの日、俺がAさんの手を触ったらしくて、」

「え！ああああ！！知ってます、あ！違う、覚えてます！あのときは、どうもありがとうございました！」

Aさんは

びっくりしたように大きな声出して、

焦って

後ろ振り返って、

シートに頭をぶつけるんじゃないかって勢いで

頭を下げて

またパッと顔を上げる。

「すごくカッコよくて！本当にヤバかったです！！テギョンさん、最高でした！本当最高！」

「いや・・・はい、(笑)」

手を合わせて

goodポーズして、

そんな力が何処にあったのか、

力説。(笑)

でも言い終わると

力が抜けたようだった。

「ありがとうございました・・・本当に、素敵でした・・」

「そうでしょ？(笑)」

暗い車内でよく顔が見えなかったけど、

Aさんは頷いた。

あれは何ともなかったと、

説明をしたい。