come into flower～Eustoma～vol.3 (ページ14)

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握手ページ14

ジュノからの返事が来る前に

私は撮影に戻った。

開始された撮影の第二部は、

花束の量を増やして撮り直したり、

それぞれの手元やアップを撮ったり。

撮影をしているテギョンさんの立ち振る舞いは、

落ち着いた自信に満ち溢れていて

穏やかに周りと接する姿は

凄すぎた。

時々スタッフと笑ったり、

監督と打ち合わせして

急な変更にもすぐに要領良くこなす。

ドキドキ・・・

カッコよかった。

「A、社長が来てる。段ボール持ってきてくれたって。そのままジュノ君に会いに行くんでしょ？」

最後のシーンのテギョンさんを

スタッフみんなで確認してると、

イネさんがこっそり耳打ち。

イネさんは

スタジオの入り口あたりを指差し、

見渡すと、社長が本当に来てた。

手を振られる私。

撮影もうまくいってるし

嬉しくて、

手を小さく振りかえした。

「最高ですね。じゃあ全てアップですーーーお疲れ様でした！！」

監督の終了の合図と共に、スタジオ内は

大きな拍手に包まれる。

明らかに

私とテギョンさんに

向けられてる拍手。

感謝してスタッフに頭を下げていると、

笑顔のテギョンさんが

私の方をくるっと向いて

目が合うと

頭を軽く下げた。

「お疲れ様、一緒に働けて楽しかった」

「こちらこそありがとうございました、沢山勉強になりました」

拍手の中

私は

左胸に手を置いて

右手を出すと、

テギョンさんはスッと両手を差し出して、

私の手をやんわりと握った。

カッコよかったテギョンさんに

ドキドキする。

私の指を全部優しく包み込む

テギョンさんの両手は、

温かかった。

「お会いできてよかったです」

本当に、お会いできて良かった・・・

包み込まれてる手を

ジッと見て、

少しテギョンさんを見上げると

「俺も」

とニコッと笑った。

「みんなで写真撮りましょう！！」

そんなスタッフの声がすると、

私の手は解き放たれた。

包まれてた手は

少し動くと元に戻るのに、

手を見ると

テギョンさんの体温が少し残ってる気がした。

私とテギョンさん中心に

スタッフたちが集まり

まずは全員で写真を撮る。

私とテギョンさんは

スタッフ達からそれぞれ撮影をお願いされて、

ツーショットを撮ったり

スリーショットを撮った。

時々、

テギョンさんと私の

2人を撮影するスタッフも居たけど、

私とテギョンさんは

2人で

ツーショットは撮ることはなかった。