【ツイステ×手下】先輩ヴィランは彼らに紛れる【２冊目】 (ページ10)

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21-1：青い炎ページ10

ロザリ「今日は楽しかったわ、ありがとうA」
『こちらこそ。楽しかったよ、ロザリア』

深夜に開かれる女子会。ゴーストとユウ以外に僕の正体を知っている数少ない友人。

ロザリ「貴方を送って行けたらいいのだけど…」

ロザリアはいつもそう言ってくれるけど、彼女は額縁の中の人だから動けない。

『大丈夫だよ。こう見えて僕は、シュラー様の手下だからね！』

大丈夫と言わんばかりに左手を腰に、右手をポンっと胸に置く。そんじょそこらの男性より強い自信だってあるのだから。

ロザリ「ふふ、そうだったわね。それじゃあ、おやすみなさい」
『うん。おやすみ』

深夜の校舎を一人で歩く。暗い廊下には、心許ない廊下の明かりだけが頼りだ。

『？』

その時、僕は見た。
幽霊ではなく、暗闇をほのかに照らす綺麗な青色の光。二年もここにいる僕にはとても懐かしく感じるものだった。

『…ハーデス？』

気高く揺れる青い炎。あんな炎、冥界でしかお目にかかれないものだ。
青い炎は廊下を曲がったのか姿が見えなくなった。

『…っ、待って！』

着崩した制服を風に靡かせて廊下を爆走する。二年程見ていない冷たく神秘的な炎。もしかしたら…、そんな希望で胸がいっぱいになる。

『ハーデス！！』
イデア「ヒィッ！へっ？なになに？せ、拙者のこと？！」

追いついた青い炎は萎縮して怯えているようだった。

イデア「べ、別になにもしてないでござるよ？！ちょ、ちょっと小腹が空いたから買いに出てきただけで？！決してっ怪しいものでは…！！」

冥界の彼女とは違う大きく広がった青い炎と廊下の心許ない明かりが二人の顔を照らす。

『(イグニハイドの寮長…か)』

残念な気持ちは勿論だが、初めての間近で見るイデア・シュラウドに不思議な感覚を覚える。

イデア「って、よく見たら学園一美少女だって噂のA氏じゃないですか？？そんな美少女が拙者に何の用？！てか男子校で美少女ってどゆこと？？うわめっちゃ美少女」

ペラペラと早口で捲し立てるイデアにAは苦笑いを浮かべる。