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エース「エペル…この人、A先輩?」
エペル「そうだよ?」
対して変わらないと聞いていたAの風貌は完全なる女性になっている。しかも女性でもトップクラスの美人。
エース「……美っ人じゃん…!なぁ、デュ…!デュース?」
デュス「ぁ…あえ…お」
目の前の美人に興奮するエースとは反対に、顔を赤くさせて硬直するデュース。
デュス「……ぅ…え、と……お、オッス!!」
『……オッス』
エース「ダメだコイツ」
散々どもった挙句、大声のあいさつと共に直角九十度のお辞儀を披露した。
Aも渋々それに応える。
ユウ「……ハッ!Aさんは俺が守る!」
エース「どの体勢で言ってんだよ。守る前に立て、そして歩け。グリムだって自分で歩いてんじゃん」
エースの言葉にグリムは、むんっと胸を張る。
グリム「ふん、子分は頼りねぇな〜。代わりに、親分の俺様がAを守ってやるんだゾ!」
ユウ「お、親分…!」
エース「なにこの茶番」
・・・
結局は、問題児四人組と共にモストロラウンジへ。
ラギーとは向こうで落ち合うことになっている。
ユウ「デュース、慣れてきた?」
デュス「あ、ああ」
エース「いくら美女だからって、今まで通りの先輩よ?そんな緊張すんなって」
デュス「おう!」
グリム「お前ら、Aに失礼なんだゾ」
正論グリムを抱えた女性版Aにデュースも慣れてきた頃、モストロラウンジに到着。
待ち構えているラギーも見えたその時、ユウはAに話しかける。
ユウ「A様、気を付けてくださいね。僕が言うのも失礼でしょうけど……いくらA様がシュラー様の手下で、学校でも成績優秀で、ラギー先輩だって仲が良いからって…先輩も獣人なんですから…」
“ハイエナ”という言葉は飲み込んだが、ユウはそれも心配要素の一つだった。
『本当に…シュラー様の手下に向かって失礼だね、ユウ。それに…』
ユウ「それに?」
『僕が“ハイエナ”という存在に屈するとでも…?』
ユウ「っ…」
怒ってる。珍しく怒りを漂わせるAの目には、ラギーではない別のハイエナの姿が浮かんでいる。
ユウ「え、えと……すみません」
『いや、そう見えるってことはここ(学園)に馴染めてる証拠だよ。気にしないで』
また穏やかな顔に戻ったAにユウはホッとする。
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作者名:いす | 作成日時:2022年2月7日 18時