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『…あの、ほんとありがと、でも落ち着くから、』
「…後ろ向いてるから。」
自分の部屋に戻っても、柾哉は何も言わなかった。水をくれて、ドアの方を向いて待ってくれた。
『……大丈夫だよ、もう。』
「そっか。」
『戻らないと、柾哉は。』
「…俺に言えない？」
……え？
「それ、普通の薬じゃないんでしょ。
見てたら分かるよ。A、時々顔色悪いこともあったから。
……だけど、無理だけはしてほしくなくて、」
知って、たんだ。
何だ。俺、全然ダメなんじゃん。
『…無理って、何だよ。』
「……自分で自分の体を、悪くしてない？
皆心配してるよ、」
『…俺は、頑張らないとダメなんだ。
人より、何倍だって、頑張らなくちゃ…！
普通のステージだって、出来ないんだよっ、
頑張らないと、もっと努力しないと、
俺はっ……ゆめが、とおくなっていくから、』
こんな大きな声を出すつもりはなかった。
もう辞めようか。何度そう思ったか。
出来なかったんだ。
それだけ、憧れてるから。
『っ、おれ、』
もうすぐ、死ぬんだ、なんて
言ったら現実が襲ってきそうで言えなかった。
＿＿＿＿＿＿＿
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VBS - この度は完結おめでとうございます。黛くんの心情がとても丁寧に描写されていて読み進めるたびにデビューできなかった他の練習生とリンクし最終話近くから涙が止まりませんでした。素敵な作品をありがとうございました。 (2021年7月1日 23時) (
レス) id: 48e5768325 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：時間 | 作成日時：2021年7月1日 15時
