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レッスンが始まって早速ハーモニーの指摘をされる。ここのチームはスキルが高い分、それだけ自然も求められるものも高くなるわけで。
色んな事をメンバーから吸収して、成長しようだなんて甘い考えは通用しなかった。
「Aくん。」
『大夢。』
「お互い浮かない顔してますね。」
なんて、笑いながら言う気力も残っていなかった。大夢は大夢で、Pretenderチームで、色々と指導をして自分の練習がしにくくなっているらしい。
皆それぞれ違う場面で何かしら抱え込んでいる。
「Aくん探したんですよ。」
『駿静、ごめん練習戻るわ、』
「…すみません、相談出来るリーダーじゃなくて。」
『なんで駿静が謝るんだよ。…こっちこそ、ごめ、ん。』
泣かないって決めてたのに。
「俺、ダンス志望でボーカルに挑戦するってだけでも、足引っ張ってるのに…。」
『…そんなことないよ。リーダーとしてあんまり深く考えすぎんな。な?』
「でも…、」
後何回、ステージに立てるんだろう。
そして、パフォーマンスが出来る?
もう、俺にはそんな時間、残されてないような気がして塞ぎ込みたくなった。
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VBS - この度は完結おめでとうございます。黛くんの心情がとても丁寧に描写されていて読み進めるたびにデビューできなかった他の練習生とリンクし最終話近くから涙が止まりませんでした。素敵な作品をありがとうございました。 (2021年7月1日 23時) (レス) id: 48e5768325 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時間 | 作成日時:2021年7月1日 15時