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『……後少しだけ、持ってくれればそれで良い。
先生。ためらわずに、使用してください。』
「だけど副作用が、」
『…良いんです。夢は、すぐそこかもしれないし。俺は、デビュー評価で絶対ステージに立ちたい。』
「…分かりました。くれぐれも、…その、必ずしも効果は、」
分かってる。
そんな上手くいくわけがないと。
それでも、そこにほんの少しの希望があれば
俺は迷わず信じて歩くから。
ステージの上で、果てたとしても。
それが、むしろ本望だ。
『……いつまで持ちますか？』
「……………。」
『そうですか。…言わないでください、やっぱり。』
先生のその顔で、悟った。
きっと、俺は長くない。
奇跡を信じるのは、糸にすがるようなものだ。
それでも。
『先生。俺は、負けませんから。』
この人生で、絶対に良かったと思えるように
最後の力を、出し切るって決めた。
ああ、お願いだ神様。
後少しだけ、見放さないでくれよ。
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VBS - この度は完結おめでとうございます。黛くんの心情がとても丁寧に描写されていて読み進めるたびにデビューできなかった他の練習生とリンクし最終話近くから涙が止まりませんでした。素敵な作品をありがとうございました。 (2021年7月1日 23時) (
レス) id: 48e5768325 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：時間 | 作成日時：2021年7月1日 15時
