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どうして、お前が持ってる。
…俺の、薬が入ったポーチ。
あれ、今朝どうしたっけ。
飲もうと思って、朝ごはんの会場に持っていったはずなのに。
「…柾哉が忘れてるから届けろって。
途中で、間違って手が滑って拾ったんだ、中身。
これは、何。教えろ、全部。」
"洸人も、俺もね、隠されるのは悲しいから。
それが、信じたくない真実だとしても、受け入れるつもりはあると思うよ。"
……柾哉は、きっとわざと渡したんだろう。
なかなか言い出せずにいる俺に呆れて、気を利かせたのか。
だけど、一番の真実は、どうしても言いたくない。
それだけは、許してくれ。
『……ちょっと、体が昔から弱くてさ。
それを、コントロールしてる薬、飲んでんの。』
「…そうだったのか、ごめん、気付けなくて。」
『ん、むしろ黙っててごめん。』
「……ずっと、一人で大変だったろ？」
違う。
『…俺は、お前が居てくれて良かったよ。
だから、大変なんかじゃなかった。』
終わってほしくないなぁ。
いつまでも、この瞬間が続いたら、どれほど幸せだろう、なんて西の涙を見ながら思った。
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VBS - この度は完結おめでとうございます。黛くんの心情がとても丁寧に描写されていて読み進めるたびにデビューできなかった他の練習生とリンクし最終話近くから涙が止まりませんでした。素敵な作品をありがとうございました。 (2021年7月1日 23時) (
レス) id: 48e5768325 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：時間 | 作成日時：2021年7月1日 15時
